重要な物流拠点であるテキサス州
今週はテキサス州における、拡大する宅配需要と開発についてお知らせします。
近年目覚ましい発展を遂げているテキサス州。その背景には、テキサス州が北アメリカ大陸の中央に位置し、各地域にアクセスしやすいという地理的利便性があります。
そんなテキサス州には、物流大手のアマゾン社も拠点を置いています。2019年まで続いたアマゾン第二本社の候補地選定に、オースティンやダラスの名前が挙がっていたことからも、物流におけるテキサス州の重要性が見て取れます。
大規模な拠点拡大と雇用創出
惜しくも第二本社誘致は逃しましたが、今般の新型コロナウイルスの影響による宅配需要の増加を受け、同社は拠点拡大を急速に進めています。
具体的には、州都オースティンの郊外に新たな配達センターを建設。これにより、約1,000人の雇用創出が想定されています。
加えて、北テキサスに保有する物流用倉庫スペースも拡大を進めています。現在の規模は約107万平方メートル、東京ドーム約23個分と、北テキサスの建物では最大級です。その倉庫を、今年中に1.2倍まで増築し、数年以内には現在の10倍以上の規模にするという大がかりな計画もあります。
これらの開発は、テキサス州の更なる発展と、雇用拡大の一翼を担うことが予想されます。
減少に転じた入院患者数
さて次に、そうした宅配需要を拡大させた新型コロナウイルスの感染状況をお知らせします。
さる8月17日、テキサス州当局は、新型コロナウイルスによる死者数が10,000人を超えたと発表。これによりテキサス州は、ニュージャージー州やニューヨーク州、カリフォルニア州に次いで、死者数が10,000人を超えた4番目の州となりました。
その一方で、8月以降テキサス州での新型コロナウイルスによる入院患者数は着実に減少傾向にあります。陽性率は17日時点で11.2%と依然として高いものの、こちらも減少傾向に転じています。専門家によると、7月上旬にアボット知事が発令した州全体のマスク着用義務が功を奏しているとのこと。
感染は収束に向かい始めましたが、アボット知事は引き続き警戒を呼びかけています。
テキサス州は物流拠点としての重要性が強まる一方、全米2位の人口を誇る州でもあるため、どこまで感染を抑え込めるかが直近の課題と言えるでしょう。
以上、田力優がお伝えいたしました。
関連記事
アメリカ不動産アカデミーVol.1 ジョージア州アトランタ(2020年5月2日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.2 テキサス州の新型コロナウィルス対策(2020年6月9日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.3 ジョージア州州政府の動き(2020年6月16日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.4 ジョージア州アトランタ不動産マーケットの現状(2020年6月25日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.5 1日あたり感染数8,000名突破で、マスク着用義務に~テキサス州(2020年7月3日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.6 テキサス州の新規感染者数減少と現地状況(2020年7月10日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.7 感染拡大により再び在宅命令を発表~カリフォルニア州(2020年7月16日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.8 過去最低水準の金利と変化する住宅ニーズ(2020年7月24日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.9 マスクを巡る政治論争~ジョージア州(2020年7月31日時点)
アメリカ不動産アカデミーVol.10 新型コロナウイルスの感染状況と不動産トレンド~カリフォルニア州(2020年8月7日時点)
オープンハウスはなぜ“米国”不動産に取り組むのか
なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その1)