活動制限により新規感染者数が減少
今週は、カリフォルニア州において、新型コロナウイルスの感染拡大によって表れた不動産についての新たなトレンドをお知らせいたします。
さる7月13日、カリフォルニア州のニューサム知事は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、二度目の在宅命令を発表。これにより、州全域における屋内活動が禁止されました。
その知事令発表からはや半月。さる8月3日に行われたニューサム知事の発表では、州全体の新規感染者数は7日間平均で約21%減少しました。また、検査数が増加しているにもかかわらず、陽性率は7.4%から7.0%に減少しており、州政府の対策は一定の成果が出ていると言えそうです。
ニューサム知事は、引き続き警戒を怠らないよう呼びかけており、活動制限は続く見通しです。
ニューヨークからロサンゼルスへ 移住者増加
さて、このような中、今、新たなトレンドが発生しつつあります。何と州政府が感染拡大への警戒を強める中で、州最大都市ロサンゼルスに、ニューヨーク州などを筆頭に他州からの移住が増加傾向にあります。
当社の現地担当者によりますと、ニューヨークでは新型コロナウイルスの影響が非常に大きく、移住の動きが表れているようです。ニューヨーク市とロサンゼルス市はどちらもアメリカを代表する大都市ですが、ニューヨーク市の人口はロサンゼルス市の約2倍。そして人口密度は約3倍と、ニューヨーク市の密度の高さは大都市の中でも群を抜いており、それが感染拡大の大きな要因となっています。
そうした状況を危惧した企業が、同じ大都市でも人口密度の低い、ロサンゼルスへの移転に踏み切っているようです。また、新型コロナウイルスの影響により外出できない状況では、ロサンゼルスの温暖な気候も魅力の一つです。このような背景が、今般の移住増加を促していると考えられます。
こうした状況も手伝って、ロサンゼルスの不動産賃料と価格はコロナ禍でも極めて安定的に推移しています。現在は比較的安く、交通の便が良い地域に注目が集まっています。
ロサンゼルスの根強い都心部人気
テレワークの普及によって、アメリカ全体としては、建物が広く安価な郊外物件の人気が高まっています。一方、ロサンゼルスに限っては都心部の人気に変化はないようです。郊外の不動産価格は都心部より値崩れしやすいという認識が根強く、新型コロナウイルスの感染状況も郊外でも都心部でもさほど変わらないというのがその理由と見られます。
新型コロナウイルスの感染拡大によってニューヨークからロサンゼルスへと移住する人々。同じ都心でも、いまはロサンゼルスのほうが住みやすいということかもしれません。
以上、田力優がお伝えいたしました。
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