賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます
趣味を突き抜けたところに仕事がある
鎌田
では濱渦さんの人生における優先順位を伺いたいと思います。まず「趣味」が、すごい形に飛び出しています。
濱渦
今も申し上げたように好きと思って始めたビジネスですので、私にとっては仕事じゃなくて、趣味が突き抜けたものなんです。よく「趣味で仕事しているだろう」と言われますが、まったくその通りなんです。土日も妻と土地探しに遠出していますし、自分が住みたいと思う物件でないと成り立ちませんね。
鎌田
「健康」は3です。
濱渦
昔は1や0に近かったと思いますが、最近は飲み会も減りました。
鎌田
「交友」が1というのは。
濱渦
周囲の仲間も家族優先の年代ですので、交友の時間は少ないですね。交友関係そのものも広くありません。ただ長く付き合っている友人が多く、23歳で起業したECサイトの会社も、高専時代の15歳から付き合っていた友人と一緒に始めました。彼は今もまだその会社に残っていて、「NOT A HOTEL」を起業したときにすぐに物件を買ってくれました。嬉しい応援でしたね。
鎌田
ご家族とは。
濱渦
今も言ったように仕事と趣味が一緒ですので、妻と旅行しながら土地を探しています。仕事と趣味と家族の時間が一致しているので、非常にバランスがいいですね。一生の仕事にしたいと思って起ち上げた会社ですから、この状態は嬉しいです。
鎌田
もう1点、濱渦さんにとってお金とはどういう存在でしょうか。
濱渦
「振り幅」ですね。ある漫画に「お金がすべてではないが、何をするにもお金が要る」というセリフがあります。本当にその通りで、お金のあるなしによってこんなにも人生に振り幅ができるのかと思います。特に事業にはとにかくお金がかかる。
鎌田
本当にそうですね。
濱渦
我々のビジネスモデルでは先に販売してから建物を建てるとはいえ、それでも莫大なお金がかかります。だからホテル業界は、若い起業家がチャレンジしづらい領域なのでしよう。新規参入の壁は高いですね。
鎌田
そこを乗り越えるという意味でも、いいチームを作りましたよね。
濱渦
「NOT A HOTEL」のビジネスにはテクノロジーやオペレーション、建築など、変数が多いんです、それを全部1人のキャリアでカバーするのは無理ですから、テクノロジーの専門家、金融の専門家、建築の専門家がそろって変数に対応できるチームを作りました。全員が本当に好きでこのビジネスに挑戦している、そんな素晴らしいチームができたと思っています。
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