「NOT A HOTEL」を起ち上げたときもコロナ禍の真っ最中でした。最初のロックダウンというタイミングでホテルを始めるなんて頭がおかしいんじゃないかと笑われたものです。しかし世の中が大きく変わるタイミングって、何か不幸なことが起きたときなんです。DXだってコロナ禍がきっかけでしたから。
みんなの腰が引けているときだからこそ、ユニークなビジネスモデルで勝負に出たわけですね。
当たり前のように銀行はお金を貸してくれませんでした。ならばオーナーさんに直接売ることで資金を得ようと考え、開業してから数年で資金を回収する従来のモデルではなく、開業したときに既に回収できている、逆転のモデルを作ったわけです。「NOT A HOTEL」というネーミングには、そういう「今までのホテルじゃないんだ」という意味も込められています。
根底には、自分がワクワクできるものを作ろうという発想がありますね。
借金を返済してアパレルECのサイトの会社を起ち上げたのが2007年で、2015年にスタートトゥディ(現・ZOZO)に売却してグループ入りしました。ZOZOは素晴らしい会社で、創業者の前澤友作さんは常々「好きなことをやってる人には勝てないよ」と話していました。それを聞きながら、今度自分がチャレンジするなら自分が本当に好きなことをやろうと決心し、「NOT A HOTEL」を起業したんです。