1.23年鋼板から、新築住宅着工件数が増加傾向。
アメリカ国勢調査局のデータによると、2023年9月以降、新築住宅着工件数が増加傾向にあります。9月に前月比+7%となると、10月にも微増し同+1.9%、11月には2桁の伸びを見せ同+14.8%を記録しました。2024年1月18に公開された最新データによると、前月の急増からの反発か12月はわずかに減少し同-4.3%となったものの、前年同月比では+7.6%と依然として好調です。
アメリカでは依然から不足傾向にあった住宅在庫が、パンデミックによる売り手不足によって深刻化し、現在では需要に対し300~600万戸が不足しているとも言われます。12月時点で、年間の着工ペースは季節調整済み146万戸ペースと算出されており、住宅不足解消の原動力になることが期待されています。
2.需要が回復するも中古供給は停滞するなか、新築が受け皿に
新築住宅が増えている背景として、住宅不足に加え、住宅ローン金利が絶妙な水準にあることが挙げられます。
住宅ローン金利はここしばらく、ピーク時の7.79%よりも1ポイント低い約6.6%付近に落ち着いています。24年には利下げが示唆されていることもあり、住宅ローン金利もさらに低下することはほぼ確実で、人々の購入意欲も戻ってくると予想されます。
一方で、いくら住宅ローン金利が下がりつつあるとはいえ、パンデミック中の超低金利よりも低い水準になるとは考えにくい状況です。当時家を買った人からすると、家の買い替え(つまりローンの借換え)を検討するにはまだまだ不利な金利であるため、中古住宅の在庫が増え始めるにはまだ時間がかかります。
住宅需要は回復傾向にあるが、中古住宅の在庫は増えない状況のなかで、受け皿となっているのが新築住宅なのです。
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