mv

ビットコインETFが続々上場、市場や経済への影響は?

Highlights

  • ビットコインETF(先物信託投資)に次々と上場の動きが
  • 暗号通貨市場に大きな影響を及ぼすと考察する論者も多い
  • 一方で、経済全体にはそう大きな影響はないと見る論も

ビットコイン先物ETFが次々と上場

9月末から価格高騰が続いているビットコイン。日本時間10月20日深夜には史上最高値となる1ビットコイン=760万円代後半まで上昇し、驚いた方も多いのではないでしょうか。

10月22日にはアメリカの投資会社ヴァルキリー・インベストメントのビットコイン先物ETF(上場投資信託)「ValkyrieBitcoin Strategy ETF」が、ナスダックで取引開始。ヴァルキリー社の前にも、19日にはプロシェアーズ社の「ProShares Bitcoin Strategy ETF:BITO」がNYSEアーカ取引所で取引を開始、25日にはヴァンエック社の「Bitcoin Strategy ETF:XBTF」がシカゴオプション取引所が運営するBZX取引所で取扱開始されるなど、ビットコイン先物ETFが各国で続々と上場しています。

こうした流れを受けて、ビットコインETFは市場や経済にどのような影響を与えることが予想されるでしょうか?

誕生から10年余りを経て信頼性が認められたビットコイン

ビットコインが発明されてから10年余り、暗号技術を用いたサービスを考える新進の起業家や、金融会社などの多くの企業が、米国でビットコインETFを立ち上げるための許可申請を提出してきました。しかし米証券取引委員会(SEC)は、それらの申請をことごとく延期もしくは拒否。現在でも、多くの申請が保留中のままです。

2021年4月、マサチューセッツ工科大学(MIT)でデジタル資産について教えていたゲンスラー氏が米証券取引委員長に就任。ビットコインETFが承認される可能性が高くなると予想されていましたが「暗号通貨関連事業者の市場や資産への監督が不十分である」との理由で、これまでと同じく申請却下が続いていました。

今回、初承認となったプロシェアーズ社のBITOの承認について、ゲンスラー氏は「ビットコインを導入することは投資家保護に反しない」との旨をコメント。誕生から10年以上の時を経て、ビットコインはようやく、信頼に値する投資対象と判断される形となりました。

気になる暗号通貨市場への影響は?

この上場により、暗号通貨市場にはどのような影響があるでしょうか。ビットコイン報酬アプリLolliの共同創業者兼CTOであるマット・センター氏は、「ビットコインETFでビットコインを直接保有できない人々、あるいはしたくない人々が、ビットコイン市場に参加できるようになる」とコメントしています(※1)。

今から現物のビットコイン取引に参加するには、暗号資産取引所のアカウントが必要です。安全に取引しようと思うと、ウォレットや秘密鍵についても、十分な知識を持っておく必要があります。ETF取引は、そういった初心者にとってハードルが高い初期インプットをスキップして、市場に参加できることがメリットになるというわけです。ビットコイン市場への参入障壁が低くなったことは、市場拡大という点でも大きなメリット。市場への参加者と資金が増えることで、市場はより安定性を増すからです。

一方で、上場の影響は小さいとする見方もあります。ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス社チーフエコノミストのフィリップ・グラッドウェル氏は、ETF承認が遅れたことによって、多くの投資家はすでに現物市場について学習済みだと指摘。先物投資信託にする合理性はもはや低くなっており、経済への大きなインパクトを起こすものではない、と予測しています(※2)。

経済全体へ及ぼす影響は薄い?

経済全体への影響はどうでしょうか。これに関しては今のところ、そこまで大きな影響はないという見方が強そうです。というのも、実体経済と連動していないことが、ビットコインの大きな魅力となりつつあるからです。

2021年10月現在、米国経済は労働力不足、インフレ、成長率の低下、終息しないパンデミックに悩まされています。連邦準備制度が支援終了を検討しているため、金利も上昇しています。普通に考えれば、金融資産も不調になる状況。しかし、ビットコインは3週間で60%ほど上昇しました。

これに対し、JPモルガンのアナリストは「金よりも優れたインフレヘッジとしてのビットコインへの認識が現在の上昇の主な理由であり、9月以降は金ETFからビットコインファンドへのシフトを引き起こしている」と分析しました(※3)。つまり社会の経済不安が大きくなるほど、ビットコインの存在感が大きくなっているというのです。

ビットコインETFの上場により、これまでのビットコインの立ち位置に変化が起きるのか、変わらず実体経済のリスクヘッジ商品であり続けるのか。今後の動きに、注目しておきたいところです。

(※1)(※2)Morningstar “ビットコイン先物ETF、まもなく取引開始へ―現物には「買われ過ぎ」との指摘も” 2021-10-19
https://www.realtor.com/research/weekly-housing-trends-view-data-week-aug-14-2021/

(※3)FXSTREET “Bitcoin soars, can the US economy be far behind?”2021-10-21
https://www.fxstreet.com/analysis/bitcoin-soars-can-the-us-economy-be-far-behind-202110211500


注目記事
なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その1)

なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その2)

なぜ米国不動産と法人税繰延の相性は抜群に良いのか。

※この記事は、掲載日時点の情報を基に作成しています。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。

まずはセミナーに参加しよう

すべて見る
弊社コンサルティングスタッフ

【日本全国オンライン対応可能】アメリカ不動産個別相談セミナー

3月29日(金) 、3月30日(土) 、4月01日(月) 、4月02日(火) 9:30~19:30
弊社コンサルティングスタッフ

【全国オンライン対応可能】年10日から購入できる「NOT A HOTEL」個別相談セミナー

ご希望日程よりご選択ください。
前へ
次へ
「不動産投資ガイドブック」を
無料プレゼント
アメリカ不動産のメリットを詳しく解説
不動産投資ガイドブック
なぜアメリカ投資市場の
スケールとパワーが段違いなのか?
賃料収入、価格上昇、税メリットによる
投資効果が期待できるのはなぜ?
契約・管理・売却まで日本にいながら
ラクラク運用できるその理由とは?
アメリカ投資市場の
スケールとパワー
様々な投資効果
日本で運用できる
無料でもらう

タグ一覧