軍事援助を受け、ウクライナの反撃が加速
10月4日、バイデン大統領がウクライナに対する軍事援助を6億2,500万ドルの追加することを発表しました。追加援助決定に先立ち、バイデン氏はウクライナ大統領のゼレンスキー氏と電話会談を行い、「アメリカは違法な併合の試みを決して認めない」と述べていました。
米国の後押しもあり、ウクライナの反撃は勢いを増しています。国土の南方に築かれたロシアの防衛戦を突破し、東部ドネツク地域のライマン周辺の領土を奪還。現在、さらに近隣のルハーンシクへの進出を計画しています。
ゼレンスキー大統領は国民に向けた演説で、前線地域で占領軍が逃亡し始めていることに触れ、「敵軍にますます多くの損失を与えている」と強調しました。
経済被害予想も縮小
こうした状況を踏まえてか、ウクライナの経済の先行きに関する予想は若干情報修正されています。
世界銀行は今年6月に、ウクライナ経済が前年比マイナス45.1%に落ち込むと予想いていましたが、10月4日の新たな発表ではマイナス35.0%と下落幅を小さく修正しました。また、2023年には2022年比で3.3%成長するという予想も合わせて発表され、回復に転じることが期待されています。
とはいえ、ウクライナが侵攻により受けた被害が甚大であることは変わりはありません。戦争により工場や農地が破壊され、何百万人ものウクライナ人が国外に退避しました。世界銀行は国の再建には少なくとも3,490 億ドルの費用がかかると見立てています。この金額は戦前のウクライナの経済規模の1.5倍に当たります。
現在は侵攻の収束に向けた経済支援が中心ですが、遠くない未来、復興に向けた支援が必要になることは明らかです。
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