アメリカ政府による家賃補助、予算に猶予
2020年、アメリカ政府はコロナ禍により国民が住居を失わないようにするための450億ドルの家賃支援予算を設けましたが、その三分の一に当たる150億ドル以上が未消化であることが、米国財務省の発表で明らかになりました。
ただし、公的支援制度に詳しい専門家は、一部の州では予算が底をついてきているため、滞納している賃貸人はできるだけ早く援助を申請するべきだと指摘しています。援助の申請は、全米低所得者向け住宅連合が各州の緊急賃貸支援プログラムを取りまとめているほか、消費者金融保護局が提供する申請に役立つオンラインツールを提供しています。
家賃補助は12ヶ月から18ヶ月受けられます。また、すでに家賃補助を受けている場合でも、滞納が続いていれば再度申請をすることができます。支援金はオーナーに入金されますが、オーナーが受け取りを拒否する場合には、申請者が直接受け取ることができないかプログラムに問い合わせることができます。日本の米国不動産オーナーにとっても、家賃の回収に役立つ情報ですので、貸出物件で滞納があるという方は急ぎ詳細を調べることをおすすめします。
金利上昇にともない、住宅ローン借り換え申込み需要が減る見通し
金利の急上昇により住宅購入のコストがさらに上昇する中、アメリカのMBA(The Mortgage Bankers Association:住宅ローン銀行協会)は、ローン実行額に対する予測を下方修正しました。最新の予測では、2022年の住宅ローン全体の実行額は、2021年から35.5%減の2兆5800億ドルになる見通しです。
米国住宅市場では物件供給が逼迫しており、価格は高騰しています。加えて、FRBが積極的に金利を引き上げはじめた影響で、ローン金利も上昇しています。MBAはこうした背景に寄って、住宅ローンの借り換え需要が急激に減少しているとしています。新規借り入れ額は1.72兆ドルと記録的な数字まで増加すると予測されていますが、当初予測されていた1.77兆ドルからすると若干落ち着く見通しです。MBAのチーフエコノミストであるマイケル・フラタントニーによると、住宅市場は年4%の堅調な伸びが期待できるようです。
同じくMBAのエコノミストであるジョエル・カーン氏は、全ての住宅ローン金利が上昇を続け、30年固定金利が2018年11月以来の高水準となったことで、借り換え活動は2019年以降で最も遅い週間ペースに落ち込んだと分析。住宅ローン申請件数は前年度の同じ週に比べ6%減少した一方より低い金利が適用される調整金利型住宅ローンは2019年6月以来最高水準のシェアを記録しました。カーン氏はまた、旺盛な購入需要を示す兆候として、非政府型と政府型の両方の借り入れ申請が増加していることを指摘しました。
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