賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。
インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます
世界観ありきで起業し、後から事業を生み出す
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新たに起ち上げたのはどんな会社だったんですか。
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eラーニング事業を柱とする会社で、ここでエンジニアの働く姿を目にして、これからはデジタルの時代だと確信しました。当初はCD-ROMでの販売でしたが、次第にネットからのダウンロードへとシフトしていって、次の事業モデルを考えなければ生き残れないと思いました。そこでその会社は仲間にあげちゃって、私が会社を飛び出してまた起業することにしたんです。
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あげちゃったんですか! 自分の会社を。なんて潔い人なんだ。ご家族もいらっしゃったでしょうに。
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子供もいましたが、家内は「辞めちゃえばいいんじゃないの」と。
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豪胆ですねえ。それでヘッドウォータースを設立されたわけですか。
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それまで営業とITの両方に携わってきたので、そのハイブリッドを狙いました。社会のデジタル化は間違いなく進むでしょうが、当時はビジネスサイドに言われてエンジニアが手を動かすというのが当たり前でした。しかしこれからはマーケティングやマネジメントがわかってテクノロジーを活用できるエンジニアがビジネスの中心であるべきだと考え、そうした世界観に共鳴できる人材の集団をつくろうと思ったんです。“ヘッドウォータース=源流、最上流”という社名にはそんな想いを込めました。
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なるほど。プロダクトではなくてコンセプトありきでスタートしようと。
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この世界観を実現するために、コンセプトを徹底的に制度化していきました。具体的には独立事業部制にして、やりたい事業のある人が手を挙げれば事業部長になれるようにし、給料もメンバーも自分で決めていいという制度をつくったんです。結果的に最も多いときで12の事業部が誕生しました。
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事業は後からついてきたと。
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もっともだいたいの事業は失敗しました。時代より早すぎたりして。まあ、事業なんてそんなものでしょう。
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確かに。
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その中でよかったのが人型ロボット「Pepper」のアプリケーション開発でした。独占的に手がけることになり、この分野でトップランナーになれたんです。
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他の事業部はどうなったんですか。
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上場を目指す段階で、すべて解散してAIの事業に集約しました。独立事業部制というのは我々の世界観を実現する上での手段に過ぎませんから、ためらいはなかったですね。もちろん手段そのものが好きで働いていた社員もいましたから、そういう人は辞めていきました。今は残った仲間と一緒にやっています。
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世界観に惹かれた人が篠田さんについてきてくれたということですね。
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基本は楽しくやりたいんです。いい人といい仕事をすると、幸せじゃないですか。そんなハッピーな働き方を大切にしたいですね。
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