賢人を賢人たらしめている行動や考え方は。そして大切にしている習慣は──。
インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます。
※この対談は2023年5月30日に弊社「GINZA XI」ラウンジ(東京・銀座)にて行われました。
対談後記
芝田山康親方(第62代横綱・大乃国)にお話を聞きました。
親方はほんとうに聡明な方だと改めて実感します。日本相撲協会においては、事業部長、広報部長、生活指導部長を兼任。まさに理事長(八角親方)に次ぐ筆頭理事と言っていいお立場です。それだけの要職を兼務されているだけに、まさに角界きってのブレーンとして辣腕を振るわれています。
素人が不用意に語るべきではありませんが、敢えて立場をわきまえずに言えば、日本相撲協会はとても特殊な組織です。そもそもスポーツである前に国技である相撲。そして、国技である前に神事である相撲。日本相撲協会は「我が国固有の国技である相撲道の伝統と秩序の維持・継承・発展」が協会としての使命と謳っています。と同時に、「本場所及び巡業の開催、これを担う人材の育成、相撲道の指導・普及」を目的としており、言い方を変えれば、大相撲のプロモーターという立場でもあります。
つまりは、公の立場として国技をつかさどる「機関」ということになり、社会からはより厳しい目でその運営について監視されている。そうした側面から、相撲協会は公器としてどう振舞うかを常に問われます。その窓口役が広報部長ということになりますから、おのずとその発言には慎重さが求められますし、明快な責任ある発言が要求される。
一方で、(適切な表現かどうかはありますが)プロモーターとして興行を打っているわけで、その意味で大相撲をエンターテインメントとして楽しんでもらうことも求められる。つまり、事業としての大相撲をどう楽しんでもらえるかを追及する事業部長の役割も絶大なわけです。
こうしたことで言うと、マルチタレントである芝田山親方は実に的確に広報部長としての役割をこなされている。広報部長としての芝田山親方は、マスコミの皆さんから、非の打ち所がないスポークスマンとしてゆるぎない評価を得ていらっしゃる。さらに、事業部長としての芝田山親方は本場所開催時には、国技館の売店で、来場されたお客様への対応の最前線に立つフットワークの軽さを見せる方。現役時代から一貫してファン目線を忘れないマインドをお持ちです。
相撲は入門であり、稽古は修行というお話を聞きました。今の時代、入門して修行するといえば、角界とお寺くらいじゃないでしょうか。修行の場で自分を磨く。そもそも人間は不出来なのであって、その不出来を修行を通じて改めていく「人間磨き」みたいなものが、世の中からすっかりなくなっていることを(生意気ですが)感じた次第です。
鎌田和彦
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