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ゲスト芝田山 康氏（第62代横綱・大乃国） -
本名、青木康。北海道出身。昭和53年春場所で初土俵を踏む。同58年春場所新入幕、同年の九州場所で北の湖・千代の富士・隆の里の三横綱を倒す大活躍。同62年夏場所で全勝の初優勝を果たす。昭和62年秋場所後に横綱推挙。“昭和最後の一番”で千代の富士の53連勝に土をつけた。平成3年、28歳で引退。幕内最高優勝２回・殊勲賞5回・敢闘賞２回。平成11年に芝田山部屋を開き、親方として弟子育成に奮闘する。
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インタビュアー株式会社オープンハウスグループ 副社長 鎌田 和彦 -
1965年神奈川県生まれ。88年慶應義塾大学文学部卒。89年（株）インテリジェンスを設立、取締役に。99年に同社代表取締役社長、2008年同社相談役。08年には日本人材派遣協会会長も務める。15年よりオープンハウスグループ 取締役 副社長。
賢人を賢人たらしめている行動や考え方は。そして大切にしている習慣は──。
インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます。
“スイーツ親方”として愛される
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鎌田 -
親方のスパイダーチャートですが、やはり「家族」が大切だと。
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芝田山 -
孫が5人いて、妹も弟もいて、85歳の母親も元気で車の運転をしています。やっぱり家族は自分の一番の支えだなと思います。
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鎌田 -
次が「健康」です。
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芝田山 -
昔は病院なんて行ったことがなかったんですが、50歳頃から腰痛になったり、膝が悪くなったりと、あちこちに故障が出てきました。足腰はもともと強くて、現役時代は弓なりにぎゅーっと反っても竹のように戻ってましたから、まさか自分がこんなふうになるとは思ってなかったです。
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鎌田 -
「交友」についてはいかがですが。
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芝田山 -
こういう世界にいるといろんな出会いや別れがありまして、寄ってくる人の中には悪い人もいました。だから人を信じることは大切ですが、信じすぎると落とし穴にはまることもあると学びました。人間というのは欲の塊なので、気を付けなさいという自戒を込めてこの点数にしました。
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鎌田 -
「仕事」は3です。
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芝田山 -
仕事があって生活が成り立っていますから、一生懸命やるのは当然です。『負けるも勝ち 相撲とは-人生とは』という本を書いたんですが、たとえ土俵の上で負けたって人生が終わるわけじゃないし、最後に勝ったと思えればいいじゃないかと考えています。
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鎌田 -
そして「趣味」ですが、親方は大の甘党らしいですね。
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芝田山 -
ええ、“スイーツ親方”と呼ばれています。『第62代横綱大乃国の全国スイーツ巡業』という本も2巻まで出しました。きっかけは、引退した頃に洋菓子を作るテレビ番組に主演したことでした。我々は相撲の巡業で全国津々浦々訪ねていく中で、いろんな方から美味しい手土産をいただくわけです。だから北海道ならあれが美味しい、東京ならこれという具合に紹介する本を出したんです。それが予想以上に売れ、「親方がスイーツの本を出した」とバラエティ番組や女性雑誌にも出るようになりました。
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鎌田 -
それで“スイーツ親方”として人気が出たと。
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芝田山 -
商標登録も取りましたよ。私は北海道の十勝の農家の出身で、牛も飼っていました。私の体験も交えて十勝の素晴らしさを伝えられたという思いで、“スイーツ親方”を名乗らせてもらっています。
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鎌田 -
ありがとうございます。では最後に親方の習慣ですが、「神棚への挨拶（毎日）」とお書きいただきました。
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芝田山 -
神事に携わっているわけですから、一日の始まりに「よろしくお願いします」と挨拶しています。自分のことではなくて、家族や弟子が怪我や病気、事故に遭うことなく平穏に過ごせますようにと。これは自分自身に対して今日も気合いを入れていくぞと引き締める狙いもあります。
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鎌田 -
やはり気合いは大切ですか。
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芝田山 -
現役時代も15日間100%で過ごすなんて無理でした。ただ、ここぞというときには適度な緊張感が絶対に必要で、それで相手に圧をかけていきます。商談でも「今日はうまく行きそうだ」と感じることがあると思うんですが、それは体に気が漲っているからなんです。気合いを入れて、自分をかき立てることはとても大切です。
※この対談は2023年5月30日に弊社「GINZA XI」ラウンジ（東京・銀座）にて行われました。
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