賢人を賢人たらしめている行動や考え方は。そして大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます。
21年ぶりのNASDAQ上場に命運を賭ける
鎌田
現在『Re.Ra.Ku』はいくつありますか。
江口
311店舗です(2023年3月時点)。
鎌田
新型コロナ感染症のときは大変だったでしょう。
江口
2020年の4月から5月のあたり、緊急事態宣言が発令された頃はまさしく冬の時代でしたね。ショッピングモールなんかも全部閉まっちゃって。売上はほとんどゼロです。元々当社はセラピストを常時雇用しておりました。この時期にも当社ではセラピストが安心して働けるようにと、固定給を支払っていましたから、人件費も家賃も毎月出て行くばかりでした。
鎌田
それは厳しいですね。
江口
創業以来23年間、銀行融資の返済が遅れたことはないし、約定弁済を変えたことも一度もなかったので、いざとなったら銀行に助けてもらおうと考えていました。ところが相談に行ったら、全部断られてしまった。まあ、銀行とはそういうものだからと自分に言い聞かせましたが。
鎌田
いよいよ万策尽きた感じですね。
江口
ええ、それでこれはもうNASDAQに上場して資金を調達するしかないと腹をくくりました。
鎌田
NASDAQに光を見出したと。
江口
ところがNASDAQにダイレクトで上場するケースは21年ぶりだったそうで、アメリカにも日本にも、対応できるコンサルタントがいませんでした。誰もトランザクションがわからないんです。それでも他に道はなく、諦めムードの関係者をとにかく鼓舞し、24時間体制で働いてもらって何とか上場にこぎ着けました。動き出すとさすがにアメリカは速かったですね。
鎌田
IPOできたのはいつでしたか。
江口
12月29日でした。これがなければ翌1月15日に給料は払えなかったですね。
鎌田
大変な綱渡りでしたね。私だったらとても夜は眠れない。
江口
文字通りギリギリでした。これ以外に生き延びるための道がなかったので、絶対にできると自分を信じるしかなかったです。
鎌田
その後、NASDAQに上場する日本企業が続きました。
江口
ええ、その意味で私たちは野茂英雄だったと自負しています。
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