賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。
インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます
知性と野性のバランスを心がけたい
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谷尻さんに恒例のスパイダーチャートにご記入いただいたところ、きれいなボート型になりました。意外なことに仕事が「3」です。
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息子が小学校2年生で、今はとにかく子育てが最高にクリエイティブで面白いんです。だから家族が「5」。いずれ中学生になったら私と遊ぶことはなくなるでしょうから、そのときは仕事が「5」になると思います。それまでは子育てですね。
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交友も同じく「3」です。
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友人は多いほうだと思いますが、誰彼かまわずつきあいたいとは思わないですね。心の通い合う仲間は少なくていいと考えています。
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趣味は「5」です。一番の趣味は何ですか。
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子供と一緒に行くキャンプですね。キャンプでスノボやサーフィンをすることは健康に結びつくし、仕事のヒントを得ることもあります。その意味ではみんなつながっています。
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ちなみにキャンプではどんなことを。
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たき火をしたり、ご飯をつくったり、ストーブとテントを持参してサウナに入ったり。子供の頃、五右衛門風呂を沸かすために薪割りをさせられましたが、あんなに嫌いだったのが、今は大好きです。
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では続けて、谷尻さんが大切にしている習慣を教えてください。
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「反対を考える」ですね。みんなが「いいね!」と賛成したら、本当にそれでいいのか、反対のことを考えるクセがあります。右利きなのにあえて左手を使って生活してみたり。キャンプなどのアウトドアを楽しんでいるのも同様で、都会で知性偏重の毎日を過ごしているからこそ屋外で野性を取り戻すことでバランスを取ろうと思っています。
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感性ではなくて野性なんですね。
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自然の中で過ごしていると想像力も磨かれてくるのを実感します。
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そうしたことが建築という領域にとどまらずにチャレンジを続ける力になっているんですね。
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私の口癖なんですが、アイデアそのものには価値はなくて、挑戦してカタチになって初めて価値が生まれると思うんです。いくらいいアイデアでも放っておけば、必ず誰かがカタチにするでしょうし、そのときになって「自分だって考えていた」と言っても後の祭りです。だからアイデアが浮かんだから、必ずカタチにすることが大切なんです。失敗は成功に向かう途中経過ですからまったく気にしません。これからもチャレンジを続けたいと思います。
※この対談は2022年11月4日に弊社「GINZA XI」ラウンジ(東京・銀座)にて行われました。
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