賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます
ストラディヴァリウスはスーパースター
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鎌田 -
クラシック音楽ファンというのは人口の1%程度だそうですね。とても少ない印象があります。
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中澤 -
非常に少ないですね。しかもファン層は一定で、高齢化が進んでいる。若いファンとの入れ替えが進んでいないことが、浮き彫りになりました。
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鎌田 -
そこで中澤さんとしてはストラディヴァリウスを通じてクラシックファンを増やそうとされているんですね。
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中澤 -
私は、父がヴァイオリン修復の職人、母が演奏家でしたので、生まれてからずっとヴァイオリンが家にあるのが当たり前でした。ところが小学校に入ると、当然ながらそんな家は他にはないと気づいたんです。全校生徒でヴァイオリンを弾けるのは私１人でしたし。それで危機感が生まれ、このままじゃマズい、将来のために何とかしなくては、と思うようになりました。
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鎌田 -
その頃から将来はこの世界に入られるつもりだったんですね。
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中澤 -
どんな世界でもそうですが、人々を熱狂させるにはスーパースターが必要なんです。将棋の藤井聡太さんがいい例じゃないですか。彼の登場で将棋界が一気に盛り上がったように、クラシック界にもスーパースターが必要だと考えました。そのスーパースターがストラディヴァリウスなんです。
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鎌田 -
なるほど。
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中澤 -
クラシック音楽を知らない人でも、ストラディヴァリウスは知っているじゃないですか。これはものすごいブランド認知度です。そこでストラディヴァリウスを主役にしたイベントを考えました。
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鎌田 -
それが「ストラディヴァリウス・フェスティバル2018」ですね。
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中澤 -
ええ。ストラディヴァリウス21挺を東京に集めて展示しました。総額210億円のストラディヴァリウスです。世界中の博物館やコレクターから借り集めてくるわけですから「絶対に無理」と言われましたけれど、5年がかりで実現させました。
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鎌田 -
大きな話題になりましたね。
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中澤 -
ええ、世界中から注目されました。目論見通り、楽器も十分主役になれることが証明できたと思います。シンガポールからも「同じようなイベントをやってくれないか」という依頼が来ており、今はコロナの関係で動けませんが、今後この勢いをさらに広げていきたいと思います。
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