バイデン氏、インフラ整備計画の実現に超党派で取り組む
6月24日、バイデン大統領と中道派の超党派上院議員グループは、国のインフラを再構築するために1.2兆ドルの投資を行うことで合意しました。合意には道路、橋、トンネル、ブロードバンドなどが含まれており、公共事業支出としては2009年のオバマ大統領の経済救済計画以来の大幅増加に。8年間で5,790億ドルの新規資金が投入されます。また、温暖化による海面上昇によって水没する水路や海岸線の保護に数十億ドル、バイデン氏が気候変動対策の一環として掲げた電気自動車50万台分の充電ステーション整備費75億ドルも投入される計画です。
ホワイトハウスによると、その財源の一部は、国際金融公社の執行予算を400億ドル増額し1400億ドルの未払い税を回収するとともに、新型コロナウイルス救済のための未使用資金を再利用することで賄われるとのことです。
しかし、野党からの反発があるのに加え、民主党内でも急進派と穏健派で意見が分かれるため、いずれの案も十分な支持を得られるかどうかはまだわかりません。多数派閥のリーダーであるニューヨーク州選出のチャック・シューマー上院議員は、「この2つの法案は国民がこの数十年間で見た中で、最も大胆で強力な法案になる」と予想しています。
パンデミック時に移民をブロックした規則を段階的に解除
バイデン政権は、トランプ政権時代に発令された公衆衛生規則を段階的に解除する計画を考えています。この規則は、パンデミック時に南部国境に到着した移民を追い返す権限を国境警備隊員に与えるもので、人道的な観点で国内外から批判を浴びていました。今後数週間で、移民家庭の入国を認める可能性があり、また今年の夏には単身の成人に対する規則も解除することも視野に入れているといいます。
パンデミック以来、国境警備隊は85万人もの移民を規則に基づいて追い返しています。政府のデータによると、2020年3月にこの規則が導入されて以来、移民の家族は8万回以上も追い返されています。
一方、規制解除にあたっては、実務に当たる人々の間では新たな危機感が生まれているようです。関係者によると、移民家庭については亡命を求める人々を、移民税関捜査局の収容施設に入れることが検討されていますが、移民局の受け入れ手続きは慢性的に遅延しており、何年もかかる可能性があります。また、政府は亡命申請をしていない家族を即刻退去措置の対象とすることも検討しています。即刻退去措置とは、移民局が公聴会や弁護士の立ち合いのもと、上訴権なしに人々を退去させることを可能する方法です。
移民が入国した後にどこへ行くのか、迅速な排除をするのか、あるいは拘置所を避けるために自宅拘置にかけるのかなど、政権はまだ議論をつづけています。
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