mv

国民も地域住民も「株主」に? トランプ氏が「配当」という表現を好む意図

本記事に掲載されている情報は執筆時点のものです。制度・仕様・価格等の変更により、現在の状況と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

1. データセンターから住民に「配当」を。5,000ドル給付案にも同じ言葉

トランプ大統領は10月21日、データセンターを建設する企業に対し、立地地域やそこに住む人々へ「配当」を支払うよう促しました。ロイターによると、自身のSNSへの投稿で、地域と金銭面の合意を結ぶことで、当初は不評だった施設も受け入れられるようになるとの認識を示しています。電力や水の使用を巡って反対が広がるなか、企業に住民との交渉を呼びかけた形です。ただし、投稿には金額や支払い時期、対象者の具体的な線引きは示されていません。現段階では、地域への金銭的な還元を促す提唱にとどまり、株主への配当と同じ制度ができる、と受け止めるのは早いでしょう。

今回の投稿で使った「配当」は、英語で”dividend”。この言葉に聞き覚えがある方もいるかもしれません。トランプ氏は9月9日、ダラスでの共和党の中間選挙向け党大会で、共和党が上下両院の多数派を維持すれば、成人の米国民に1人5,000ドルを支給すると表明しました。その名称が「トランプ配当」です。こちらも原文は”Trump dividend”で、今回と同じ単語が使われています。

当時の演説で、トランプ氏は給付を米国の経済的成功によって可能になるものと説明し、成功した企業が株主へ現金を分配することになぞらえました。さらに、給付金は米国内で使うという条件にも言及しています。もっとも、演説だけで給付が実現するわけではなく、具体的な財源や実施の仕組みは別に検討する必要があります。

2つの提案は、お金を支払う主体が異なります。5,000ドル給付案では政府、データセンターでは開発・運営する企業が想定されます。受け手も全米の成人国民と立地地域で異なります。それでも、同じ「配当」という言葉で語った点は共通しています。いずれも「配当」という言葉で、受け手への金銭的な利益を訴えている点は共通しています。

2. 「成功の分け前」を約束し、支持を得ることが狙いか

株主への配当は、企業が株主にお金を分配することです。投資家にとっては、企業活動の成果を受け取る代表的な方法の1つでしょう。この語を国民や住民への支払いに使うと、受け手は経済成長や開発の成果を受け取る当事者として描かれます。「あなたにも成功の分け前がある」というメッセージが伝わりやすくなる、と考えられます。

この表現には、すでにPRの観点から分析があります。元企業PR幹部で、米KIROニュースラジオの記者ルーク・デューシー氏は9月11日、トランプ配当という名称について、すでに自分が所有しているもの、正当に得たお金のように響くと説明しました。加えて、その受け取りをトランプ氏による経済的成功と結びつけられる点を指摘しています。給付を受ける側の感覚と、支払う側の実績宣伝を同時に形づくる言葉だという分析です。

経済学者ディーパンシュ・モハン氏も9月28日、インドのニュースメディア「ザ・ワイヤー」への寄稿で、国民を株主、米国を成功の成果を分配する企業に見立てる比喩だと論じました。一方で、米政府は財政赤字であり、分配する利益を蓄えているわけではないとも指摘しています。配当という響きと、実際の財政状態は分けて見る必要があるということです。

こうした分析を今回の発言に重ねると、共通する狙いとして、経済的な利益を示して支持を得る発想が浮かびます。5,000ドル給付案では、共和党が勝てば自分にもお金が届く。データセンターでは、施設を受け入れれば地域にも利益がある。規模も仕組みも異なりますが、国や企業の成長を、自分の暮らしと関係するものとして感じてもらう構図です。これは発言の比較から導ける解釈であり、本人の内心や、実際の説得効果まで確認されたわけではありません。

特にデータセンターでは、企業の利益と住民の実感が一致するとは限りません。AIの成長が国全体に恩恵をもたらすと説明されても、近隣で暮らす人には、水の使用や電力料金への懸念が先に立つこともあるでしょう。地域へ直接還元する提案は、その距離を縮める方法になり得ます。還元の内容を交渉することで、住民が開発から何を得るのかを具体化できるからです。

ただし、配当と呼ぶだけで、国民や住民が株主になるわけではありません。企業の持ち分や議決権を得ることと、給付や地域還元を受けることは別です。また、支払いがあっても、生活環境への不安が解消されるとは限りません。どの地域の誰が受け取り、どの負担を軽減できるのかという設計が、言葉の魅力とは別に問われます。

政治や企業の発表を読む際には、「配当」という表現から一歩進み、誰が原資を用意し、どの条件で、どこまで継続して支払うのかを確かめたいところです。トランプ氏は成功した企業による株主への分配になぞらえて、国民への還元を語っています。その表現が持つ意味を理解しながら、実際に分配できるお金と、約束を実行する仕組みを見極めることが大切です。

 


注目記事
なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その1)

なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その2)

なぜ米国不動産と法人税繰延の相性は抜群に良いのか。

※この記事は、掲載日時点の情報を基に作成しています。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。

アメリカ不動産投資の秘訣
成功への道筋

オープンハウスの投資メソッドを
無料ダウンロード

アメリカ不動産投資の秘訣
成功への道筋

オープンハウスの投資メソッドを無料ダウンロード

この資料では、以下の内容をご紹介しています。

以下の内容をご紹介しています。

  • アメリカ不動産投資が「今」注目される4つの理由
  • スケールが違うアメリカ投資市場の基礎知識
  • 日本とは全く異なる不動産の市場環境と投資効果
  • 投資エリア選びの重要さと注目の成長エリア

さらに知りたい方は簡単1分

資料をダウンロードする

アメリカ不動産投資、始め方がわからずお悩みではありませんか?

2020年の税制改正後も、アメリカ不動産投資は依然として「資産分散」「減価償却」などのメリットで注目を集めています。

ただ、アメリカを含む海外不動産投資に興味はあるけれど「言語の壁がある」「現地の事情がわからない」「リスクが高そう」といったお悩みも多く見られます。

実際、日本からアメリカ不動産投資を始めようとしても、現地の法律や税制の違い、物件管理の難しさ、為替リスクなど、様々な課題に直面することがあります。

しかし、適切な知識とサポートがあれば、アメリカ不動産投資は魅力的な資産運用の選択肢となります。安定した不動産需要、基軸通貨ドルでの資産保有、長期的な不動産価値など、その魅力は2020年の税制改正後も健在です。

そこで、アメリカ不動産投資に興味をお持ちの方へ、『アメリカ不動産投資成功ガイド』をお届けします。オープンハウスがこれまで5000棟超、3000名以上の投資家様をサポートしてきた実績をもとに、投資の基礎知識から最新の市場動向、成功事例までをわかりやすくまとめました。

オープンハウス独自の強み、アメリカの複数都市に展開する現地法人による直接管理と日本語でのきめ細やかなサポート体制についてもご紹介しています。お忙しい投資家様のお手を煩わせず、英語不要でアメリカ不動産投資を実現できるワンストップサービスです。

ドル建てでの資産運用を実現したい方、海外投資に興味はあるけれど不安を感じている方は、ぜひこの機会にダウンロードしてみてください。

アメリカ不動産投資の秘訣
成功への道筋

オープンハウスの投資メソッドを
無料ダウンロード

アメリカ不動産投資の秘訣
成功への道筋

オープンハウスの投資メソッドを無料ダウンロード

この資料では、以下の内容をご紹介しています。

以下の内容をご紹介しています。

  • アメリカ不動産投資が「今」注目される4つの理由
  • スケールが違うアメリカ投資市場の基礎知識
  • 日本とは全く異なる不動産の市場環境と投資効果
  • 投資エリア選びの重要さと注目の成長エリア

さらに知りたい方は簡単1分

資料をダウンロードする

まずはセミナーに参加しよう

すべて見る
弊社コンサルティングスタッフ

【日本全国オンライン対応可能】アメリカ不動産個別相談セミナー

10月30日(金) 、11月02日(月) 、11月03日(火) 、11月04日(水) 9:30~19:30
弊社コンサルティングスタッフ

【全国オンライン対応可能】年10日から購入できる「NOT A HOTEL」個別相談セミナー

ご希望日程よりご選択ください。
前へ
次へ

タグ一覧