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ウォーター・クライシスが今、世界的問題に

日本に住んでいると、蛇口を捻るだけで簡単に手に入るものと思われがちな水。しかしここ数年、世界各国で干ばつや洪水、水不足といった水にまつわる問題が頻発しています。2021年にはアメリカ・カリフォルニア州やブラジルで干ばつによる農作物へのダメージが深刻化し、日本においても北海道・石狩市が雨不足による干ばつ被害に危機感を覚え、対策の必要性を訴えるなどの動きがありました。

また土壌汚染や病原菌の蔓延により、安全に使える水の量は年々減ってきているとも言われています。こうした世界規模の水資源の危機は「ウォーター・クライシス」と呼ばれており、衣食住の「住」を支える不動産領域においても、今後ウォーター・クライシスへの対応が喫緊の課題となっていきそうです。

高水準のろ過上水システムを導入したセールスフォース社

こうしたウォーター・クライシスへの対応としてまず考えられるのが、限られた水資源を有効活用していく方法です。そのための手法として注目を集めているのが“廃水処理テクノロジー”です。

例えば、カリフォルニア州に本社を置く世界的IT企業セールスフォース・ドットコムのオフィスビルでは、1日あたり推定3万ガロン、年間換算で約780万ガロンに及ぶ廃水をろ過浄水できる設備を導入しています。

一般的に流し台や洗濯機、浴槽、シャワーなどから出る比較的汚染度の低い生活排水をグレイウォーターと呼び、排泄物や油、病原菌を多く含む汚染度の高い排水をブラックウォーターと呼びます。

セールスフォース社が導入しているろ過浄水システムは、汚染度の高いブラックウォーターも浄水できる高水準の設備。ブラックウォーターを処理できるほどの設備は、大規模かつ膨大な投資コストがかかりますが、セールスフォース社はサステナビリティ推進と将来的な水不足へのリスクヘッジ的観点から、こうした大胆な設備投資を決断したようです。

注目を浴びるアメリカの水テクノロジー企業Epic Cleantec

また、オフィスビルの浄水テクノロジーとして注目を浴びているアメリカのテック企業がEpic Cleantec社です。

同社が提供する浄水システムは、フィルターを使用して排水中の固体と液体を分離し、汚れた水を高品質な水へと変換。分離した固形物は強力な化学反応によって処理され、すべての病原菌は殺菌し、匂いも中和されるそうです。

同社CEOのアーロン・タルタコフスキー氏は「処理後の固形物は炭素とカリウムが豊富で、かつ無菌の、優秀な肥料にもなる」とも説明しています。またEpic Cleantec社のソリューションは処理能力が優秀なだけではなく、処理にかかるエネルギーも可能な限り抑えているとのこと。さまざまな観点から、持続可能な水資源の利用を目指している企業と言えるでしょう。

被災地支援でも注目を集めた日本の水テクノロジー企業WOTA

海外だけでなく、日本にも要注目の水テクノロジー企業が存在します。それが東大発ベンチャーのWOTA株式会社です。同社は小型の浄水ボックス「WOTA BOX」や、ドラム缶型の手洗いスタンド「WOSH」を開発しており、いずれも浄水設備としては非常にコンパクトなことが特徴のソリューションです。

各種メディアでも大きく取り上げられている注目企業ですが、同社がとりわけ脚光を浴びるきっかけとなったのが、2018年の西日本豪雨時における被災地支援。豪雨の影響でライフラインが遮断され、清潔な水が手に入ることもままならなくなる中で、被災地にシャワー設備を提供したのがWOTAだったのです。

運搬にも適した小型サイズと、一般的な電源で動かせる構造により、場所を選ばずにスピーディーに設置できるWOTAの製品。こうしたソリューションが普及すれば、水道設備が引きづらく、従来は居住に適さなかった場所でも水を使えるようになるため、これまでの住居の常識を変えることにもつながるかもしれません。

ウォーター・クライシスへの危機感の高まりを受けて、今後も水にまつわるさまざまな画期的テクノロジーの登場が予想されますが、不動産領域への影響や連携も要注目です。


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