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ヨーロッパでガス価格が再高騰の兆し

EUのガス価格はピーク時の1/10以下に下落した後、10日で2倍に反発

落ち着きを見せていたヨーロッパのガス価格が、再び高騰しそうな兆しを見せています。

欧州のガス価格のベンチマークに用いられるTTFは、ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに高騰し、22年8月にピークとなる340ユーロ/MwHを記録しました。その後、欧州が例年より温暖な冬を迎えたこと、世界最大のガス需要国である中国が経済不審によりガス輸入量を抑えたこと、世界各国でガス備蓄が進んだことを理由に価格が急激に下がりました。今年春以降は50ユーロ/MwH以下で安定し、6月初旬には過去2年で最低の水準である23ユーロ/MwHまで下落しました。

しかし、そこからわずか10営業日でTFFは2倍以上に上昇。15日には1日で27%の上昇を記録し、4月以来最高水準の49.50ユーロ/MwHに達しました。この短期間の高騰の原因は、何だったのでしょうか?

ノルウェーのガス工場のメンテナンス長期化が主因か

最大の要因は、ノルウェーでガス工場のメンテナンスが長引いていることです。ノルウェーは現在、ロシアに代わりEUのガス需要を支えている最大の供給源で、シェアの24%以上を占めています。工場のメンテナンスを行っているのは、ノルウェーの国営企業であり、最大の天然ガスパイプライン網を運営するガスコ社です。

同社は国内3大ガス処理プラントの1つに数えられるニーハムナ工場において、6月12日の定期メンテナンス作業中に、冷却システム内の不具合を確認。施設の操業を同月21日まで停止する予定でしたが、その後停止期間を7月15日まで延期することが発表されました。

この停止により、今後数カ月で減少するガス供給量は1BCM(10億立方メートル)に達すると試算されています。各国のガス備蓄が進んでいる現在の状況からすれば、このレベルの不足は問題にならないとの見方が多数ですが、供給量が5BCM減少すれば需要量を満たせないとも言われており、メンテナンス期間がさらに長引けば市場への影響は免れません。

あらゆる産業に影響を及ぼしうるエネルギー価格。国際エネルギー機関(IEA)が「初めて、真の国際的なエネルギー危機」と表現した2022年と比べればまだまだ低価格な水準ですが、今後の展開によっては注意が必要です。

 


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