【この記事のポイント(Insights)】
- トランプ氏は自身の名を冠した暗号通貨「$TRUMP」を発行。発表直後に価格が急騰するも、その後は激しい値動きを見せ、投機的な側面が浮き彫りに。
- $TRUMPは実用性や透明性に乏しく、価格がコミュニティの熱量に依存。専門家は、詐欺や価格操作、利益相反の疑いを指摘している。
- 現職大統領としての特権でトランプ氏自身が処罰される可能性は低いが、$TRUMPは規制対象となる可能性が高く、暗号資産市場全体への影響も懸念される。
トランプ氏は自身の名を冠した暗号通貨「$TRUMP」を発表し、暗号資産市場だけでなく、政治・経済界にも波紋を広げています。本記事では、$TRUMPの概要や背景、急激な値動きとそのリスク、ミームコインとしての特性を解説するとともに、発行をめぐるトランプ氏自身への利益相反や価格操作の懸念を取り上げます。また、$TRUMPが直面する規制上の課題や将来的に市場へ与える影響についても詳しく分析します。
トランプ氏、大統領就任直前にトランプコインを発表
2025年1月18日、ドナルド・トランプ氏は自身のSNSプラットフォーム「Truth Social」とX(旧Twitter)を通じて、自身の名を冠した暗号通貨「$TRUMP」の発行を発表しました。20日の大統領再就任式直前の発表に、多くの注目が集まりました。
$TRUMPの発行主体は、トランプ関連企業であるCIC Digital LLCおよびFight Fight Fight LLCで、両者が供給量の80%を保有しています。このため、$TRUMPはトランプ氏やその関連組織に直接的な利益をもたらす構造とみられています。
発表直後、$TRUMPは暗号資産市場で爆発的な反応を見せ、価格は短期間で20倍以上に急騰。市場での取引高は30億ドルを超えました。しかし、その後の値動きは大きく変動しており、短期的な投機対象となっていることが明らかです。
現時点で$TRUMPについての実用性や技術面に関する言及がほぼ見当たらず、トランプ氏の知名度だけで価値担保されている、いわゆる「ミームコイン」です。ミームコインは、インターネット上のジョークやミームに基づいて作られた暗号通貨であり、その価値は主にコミュニティの熱量や話題性に依存します。代表例には、柴犬のミームをテーマにしたドージコイン(DOGE)やシバイヌ(SHIB)があります。
暗号資産ステークホルダーの一部は喝采するも、業界外からは懸念の声多数
暗号資産コミュニティの一部や熱狂的トランプ支持者からは、$TRUMPの登場が歓迎されています。彼らはこれを「新たな資金調達手段」や「トランプ氏のブランド力を活用した革新的プロジェクト」とみなしています。一部の投資家は、$TRUMPが暗号資産市場を活性化させる可能性に期待を寄せています。
一方で、暗号資産関係者以外で同コインを肯定的に捉える意見はほとんど見当たらず、むしろ多数の懸念が挙げられています。以下は、専門家やメディアから特に多く指摘される懸念です。
利益相反の疑い
トランプ氏は、関連企業を通じて暗号資産$TRUMPを発行する当事者です。その彼が、大統領として暗号資産規制に影響を与えることは、利益相反の懸念が生じます。
たとえば、トランプ政権が暗号資産に有利な規制緩和を推進することで$TRUMPの価値が高まれば、トランプ氏や関連企業が直接的な利益を得ることになります。このような行為は倫理的な問題だけでなく、公務と私益の境界を曖昧にし、批判を招く可能性があります。
価格操作のリスク
トランプ氏が$TRUMPについて発言することで、市場の価格が急変するリスクもあります。特に、トランプ氏の影響力を利用した「ポンプ・アンド・ダンプ(吊り上げと買い叩き)」の疑いが生じれば、投資家保護の観点から厳しい批判を浴びる可能性があります。
例えば、トランプ氏が$TRUMPを「次世代の投資先」と称賛すれば大きな価格上昇が期待できますが、そのタイミングで関連組織が保有トークンを大量売却した場合、市場価格が急落し、小規模投資家が大きな損失を被るシナリオが考えられます。このような事態が明るみに出れば、米国司法省(DOJ)やSECによる捜査が開始される可能性があります。
詐欺的要素
$TRUMPのユースケースや資金の使途が明確に開示されていない場合、投資家に誤解を与えるリスクがあります。透明性が低く、トークンの大部分が発行主体に集中している点も懸念材料です。
特に、プロジェクトが投資家に対して「ユースケースがある」と誤解させるような宣伝を行った場合、詐欺とみなされる可能性があります。詐欺が認定されれば、発行主体には巨額の罰金や損害賠償の支払いが課される可能性があります。
トランプ氏や$TRUMPがペナルティを受ける可能性は?
上記のような観点から、$TRUMPプロジェクトが違法とみなされる可能性は大いにあります。しかし、そのことでトランプ氏がペナルティを受けることは、少なくともこれから2年間はないでしょう。というのも、トランプ氏が現職大統領である間は、大統領職特権で刑事訴追を逃れられるからです。また、共和党が上下院で多数派を占めている状況下では、弾劾による罷免も現実的ではありません。そのため、トランプ氏自身が$TRUMPに関連して直接的なペナルティを受ける可能性は極めて低いといえます。
一方、$TRUMPそのものが規制当局の調査対象となる可能性は十分に考えられます。以下のシナリオが想定されます。
未登録証券とみなされるリスク: 米証券取引委員会(SEC)が$TRUMPを未登録証券と判断した場合、罰金や取引停止命令が下される可能性。
詐欺的行為への調査: 投資家に損失を与える形での価格操作や誤解を招く宣伝が行われた場合、調査が進む可能性。
上場廃止: 規制の強化や投資家保護の観点から、主要な暗号資産取引所が$TRUMPを上場廃止する可能性。
トランプ氏の$TRUMP発表は、暗号資産市場やトランプ支持層に大きな影響を与えましたが、ミームコイン特有のリスクや規制の不透明性が懸念されています。現職大統領としての特権により、トランプ氏自身がペナルティを受ける可能性は低いものの、$TRUMPが規制対象となる可能性は排除できません。今後の動向は、暗号資産市場全体の方向性に大きな影響を及ぼす可能性があります。
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