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アメリカ不動産アカデミーVol.35 バイデン大統領がCOVID救済法案に署名とパンデミックが与えたアメリカ不動産市況(3月15日時点)

 

バイデン大統領がCOVID救済法案に署名

ジョー・バイデン大統領は、当初の予定より1日早い3月11日に、予算1兆9,000億ドルの新型コロナウイルス救済法案に署名しました。トランプ前大統領が2020年末に署名した9,000億ドルの救済措置に、予算を大きく上積みする法案を、メディア各社は「historic(歴史的)」という言葉を用いて大きく報じています。

このアメリカ史上最大規模の経済法案に、野党・共和党からは反対の声も挙がっています。共和党上院議員スーザン・コリンズは、ワクチンの配布のための追加資金が必要なことには同意しつつ、電子メールでの声明のなかで「大統領が提案する救済策は十分にターゲティングされていない」と述べました。ほか共和党議員の多くがこれと同様の考えを示し、上院で6日、下院で10日に、それぞれ行われた採決では共和党からの賛成票が得られないままの可決となりました。

法案に盛り込まれた項目には、全世帯の約90%に1人あたり最大1,400ドルの救済金を配布、政府負担で失業手当を週あたり300ドル増額、子供税控除を3,600ドル拡大、州・地方への3,500億ドルの支援、さらに幼稚園から高等学校までの学生が教室で授業を受けられるようにするための支援費用数十億ドル、パンデミックで被害を受けた中小企業を支援、ワクチンの研究・開発・配布などが含まれます。      

パンデミックが与えたアメリカ不動産市況

住宅ローンの記録的な低金利とリモートワークの浸透により、多くのアメリカ人がより手頃な価格の場所に大きな家を購入するようになっています。その一方で、多くの人が同じような物件を求めたために熾烈な入札合戦が起こり、価格の高騰と住宅不足の激化を招いています。現在の米国不動産市場の主な特徴は以下です。

・住宅価値の総額が3.1兆ドル上昇 売買市場に出回っていないものも含めた、全ての住宅に対する価値算定です。1月の米国の住宅の総価値は32.4兆ドルで、前年の29.3兆ドルから10%増加しました。

・住宅価格の中央値は、2013年以来の最高の水準まで上昇 1月の米国の住宅販売価格の中央値は330,500ドルで、前年比14.3%上昇しました。これは2013年以来最高値水準です。

・住宅在庫が前年比24%減少 1月の販売用住宅の供給は前年比23.6%と過去最高を記録しました。

・58%の物件に、2件以上の入札 1月は売り出されている物件の58.3%に、2件以上の入札がありました。このことが価格上昇の一因になっています。

・高級住宅の売上が45%増 “Luxury”物件の売上は前年比で45%増加しました。一方、“Affordable”物件は9%、“Most Affordable”物件は7%の上昇で、高額物件ほどの価格上昇は起きていないようです。

・中古物件の需要が84%増 1月の中古物件の需要は前年比で84%増加。対する新築物件は、前年比36%増でした。

・住宅ローンの一時停止や削減を行った住宅所有者は270万人 住宅ローンの一時停止や削減を行ったサービサーや貸し手の数は270万人でした。これは米国の住宅所有者の5%にあたる数字です。

・Redfinユーザーの30%が長距離引っ越しを検討 Redfin.comユーザーの30.3%が、2020年の第4四半期に別の大都市圏への引っ越しを検討しているとのことです。この数字は、第3四半期は29.2%、前年同期では26.2%でした。


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