1.FOMC発表は概ね市場の期待通りに
2024年9月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、4年ぶりに利下げが実施されました。発表前から、利下げそのものはほぼ確実視されていたことから、市場の注目は利下げ幅に寄せられていました。最小幅の0.25%で留まるか、一気に0.50%引き下げるかで見方が分かれていましたが、多数派の予想通りとなる0.50%引き下げで決着。政策金利目標は4.75%から5.00%に設定されました。
この利下げは、インフレが徐々に落ち着きつつある一方で、雇用市場が弱まりつつあることを受けてのものでした。FOMCは、今後も経済状況を見極めながら追加の利下げを行う可能性があると示唆しています。利下げそのものは企業活動の追い風になるものの、急激な利下げが必要なほどに景気が低迷していると受け取ることもできるため、株式市場は複雑な反応を見せました。
2.30年もの住宅ローン金利はFOMC前から急速に低下
Mortgage Bankers Association(MBA)は9月25日、FOMC後はじめて住宅ローン金利を更新。30年固定金利は6.13%で、前週の6.15%からの変動幅はわずか0.02%でした。ただし、これはFOMC発表前から、利下げを織り込んだ金利低下があったためです。9月4日の更新で6.43%だった30年固定金利は、9月11日更新で6.29%、9月18日更新で6.15%と大幅に下がっていました。9月中に、6.43%から6.13%まで0.3%低下したと考えると、明確に影響を受けていると言えます。
今後の展開についての専門家たちの予想は、立場により若干の差異があります。CoreLogicのチーフエコノミスト、セルマ・ヘップ氏は今後は金利が緩やかに低下すると予測していますが、年末までは6%を下回ることはないと予想しています。また、Embrace Home Loansのプリートム・プーロヒット氏は、経済が緩やかに減速することで、2024年末には住宅ローン金利が5.75%から6%の範囲に収まると予測しています。
一方、Fannie MaeやMortgage Bankers Association(MBA)などの主要機関は、2024年第3四半期の30年固定金利が6.2%から6.7%の範囲で推移すると予測しており、これ以上の下落は見込んでいません。
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