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【アメリカ確定申告】知っておきたい基礎知識 「第7回:どの書類を用いて税務申告するのか(法人)」

はじめに
今回は、アメリカ確定申告ではどのような書類を用いて申告をするのか、日本の法人をアメリカで支店登記した会社、法人を想定して説明したいと思います。

アメリカ支店の法人確定申告書様式

法人の場合は、Form1120Fよばれる申告書を用います。1ページ目の左上に様式番号があり、右側には申告年度が記載されています。1ページ目に、社名、住所からはじまり、いつ登記したか、どういう事業を行っているかという概要を記載します。納税の有無、過去源泉徴収されているか、申告年度において予定納税は行っていたのかなどという事が記載されます。

ご参考URL:https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/f1120f.pdf

納税額はどこに記載されるのか

年度を通して予定納税をした場合、あるいは賃料を受け取る際に源泉徴収されていた場合、確定申告時に最終税額を計算します。予定納税や源泉された金額のほうが納税額よりも多かった場合、還付金を受け取る、あるいは翌年度の税額に充てることを選択できます。

申告書期日

Form1120Fの提出締め切りは決算月後の5.5か月後になります。申告書の提出が間に合わない場合は提出の延長申請が可能ですが、納税の延長申請は認められませんので、納税がある場合は必ず決算後5.5か月以内に納税をする必要があります。

延長申請

申告書の提出が間に合わない場合、延長申請をすることも可能です。延長申請の様式はForm7004と呼ばれるもので、これを申告書提出期日前までに出すことにより、さらに6か月申告書の提出を延長することができます。繰り返しになりますが、納税の延長は認められませんのでご注意ください。

納税方法について

納税が発生した場合、納税方法は主に申告書と一緒に小切手を同封するか、アメリカの銀行口座から直接引き落としをするという2つの方法になります。日本の銀行口座からは引き落としできません。

アメリカの銀行口座から直接引き落としをする場合は、EFTPS(Electronic Federal Tax Payment System)というサイトから引き落としのセットアップをする必要があります。

予定納税について

納税した場合、翌年度以降、予定納税をしていく必要があります。予定納税の考え方は日本でも同じかと思います。アメリカは前年度の納税額を翌年度の四半期ごとに支払っていきます。

個人と法人の申告書の違い

申告書の様式が異なるのはもちろんのこと、法人では、個人ではなかった税務調整の計算をして税額を確定させ、貸借対照表、損益計算書を作成していきますので、個人よりも申告書の内容が複雑です。

 

米国税理士 渡邊聡美 
渡邉聡美
株式会社フェニックスデール 代表
米国税理士

アリゾナ州立大学卒業、会計学専攻
Deloitte Tax LLP ミシガン州デトロイトオフィスにて税務を担当
監査法人トーマツ、金融インダストリーグループにて金融監査を担当
みずほ銀行 国際戦略情報部にて米国会計税務コンサルティングを担当
株式会社フェニックスデール 立ち上げ

米国進出支援事業、米国事業投資、会計支援事業の経験を活かして、米国不動産を専門とした税理士として地位を確立。主に米国確定申告代行業務を行っている。

▼株式会社フェニックスデール公式サイトはこちら
https://phoenixdale.com/

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