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【アメリカ不動産用語解説】Vol.4「Title Insurance(タイトル保険)」

Highlights

  • アメリカ不動産の頻出用語「Title Insurance(タイトル保険)」について解説
  • その名の通り、物件のTitle(所有権)に対する保険
  • 物件購入後のさまざまなリスクを低減してくれるメリットの大きな保険

アメリカ不動産の情報を調べたり、記事を読んだりしていると、なじみのない用語を目にすることがよくあります。それらの用語を検索してみても、いまいち要領を得ない…なんて経験はありませんか? しっかり理解するには、アメリカの文化や現地事情への理解が必要な場合も。本シリーズでは、そのようなアメリカ不動産における頻出用語をより詳しく、そしてわかりやすく解説します。

第4回目のテーマは「Title Insurance(タイトル保険)」。物件のTitle(タイトル)、つまり“所有権”に対する保険のことを言います。アメリカの不動産取引では一般的ですが、日本ではあまり知られていないこの保険制度について解説します。

 

物件の所有権に対する保険「タイトル保険」とは?

タイトル保険が発行されるプロセスをまず説明すると、物件の売買契約が締結された後、タイトル保険会社が該当物件の所有権や税金などに関するリサーチを行い、詳細なレポートを作成。その後、物件の引き渡し時に、加入希望者(物件の買い手)に対し、国や州のガイドラインに沿ったタイトル保険を発行します。

タイトル保険の内容を簡単に説明すると「購入後にレポートに記載のない他の権利者が発覚し、それにより加入者に損害が生じた場合は、その損害を補償する」というものです。

もちろん、保険会社としても可能な限り保険金を支払わないに越したことはないので、レポート作成時には徹底した調査を行います。そのため、タイトル保険に加入していること自体が、物件の信用性と購入後の安心を担保することにもつながるというわけです。

 

物件購入後のさまざまなリスクを低減

タイトル保険は、他のさまざまな保険と同じく、加入者を不利益から守るために存在します。とりわけ不動産取引においては、タイトル(所有権)に関するさまざまなリスクが潜んでいるため、タイトル保険への加入が非常に有効となります。

所有権に関するリスクとしていくつか例を挙げるなら、例えば、以下のようなものが挙げられます。
 
・書面上の所有権者と実際の所有権者が異なる
・遺言状に矛盾があり、所有権者がハッキリしない
・物件に関する税が延滞されている
・抵当権や先取特権(他の債権者より優先的に弁済を受け取る権利)が付いている
・文書が偽造されている

こうしたことが取引完了後に発覚すると、物件購入者や購入者にお金を貸した金融機関が大きな不利益を被ることになるため、タイトル保険への加入が、備えとして非常に有効な手段だといえるのです。

 

加入は任意だが、加入しておくと大きなメリットが

タイトル保険への加入は任意とされていますが、不動産ローンの融資条件としてタイトル保険への加入が必須とされるようなケースもあります。また一度タイトル保険に加入した物件は、オーナーが変わる際にも売却交渉がスムーズに進みやすいというようなメリットもあります。

保険料は物件の所在地となる州や、保険会社、または物件の価格などによっても異なりますが、500ドルから3,500ドルが一般的な相場です。加入時に一度支払うだけで、月々の支払いなどその後のランニングコストも必要ありません。

物件購入後のリスク低減のためにも、またローン申請や物件売却をスムーズに行うためにも、加入するメリットが大きい保険といえるでしょう。

 

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