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記録的な”暑い夏”を経験してなお、共和党は温暖化を否定

「数万年ぶり」との分析もあるほどの酷暑

2023年の夏の暑さは記録的な水準です。7月初旬に、地球全土の平均気温の記録を更新して以降、高い気温が続き、世界各地で健康被害の報告が続出しています。7月27日に世界気象機関が発表した報告書によると、7月の気温としては史上最高となる見込みで、7月23日までの世界平均表面気温の平均は16.95℃で、2019年7月の16.63℃を抜くことが確実視されています。

ライプツィヒ大学の科学者カルステン・ハウスシュタイン博士は、12万年で最も暑い月になる可能性があると指摘。さらに、NASAの科学者らも「数千年とは言わないまでも、数百年」で記録上最も暖かい月になる可能性が高いと警告しています。

共和党支持が根強い赤い州であるテキサス州も、西端の都市エルパソで最高気温が44日連続で華氏100度(37.78℃)を超えるなど、猛暑に苦しんでいる州の1つです。しかし、そうした状況を目の当たりにしながらも、共和党員の多くは温暖化を頑なに否定し、対策を行う必要はないと主張し続けています。

温暖化を「でっち上げ」と腐すトランプ前大統領

共和党員たちが温暖化を認めない最大の理由は、同党で最も有力な大統領選候補であるトランプ前大統領が、温暖化を否定しているからです。トランプ氏は在任中か気候科学を「でっち上げ」と呼ぶなど、気候変動やそれがもたらす環境問題に対して否定的な考えを示し続けてきました。昨年11月には大統領選再出馬を目指すことを公表する会見のスピーチのなかで、海面上昇に言及。「(環境保護論者は)今後200年から300年の間に海面が1/8インチ上昇すると言うが、(中略)核兵器への懸念は語ろうとしない」と発言し、気候変動はあるかもしれないが国防などの問題に比べれば取るに足らないことだと腐しました。ちなみに、トランプ氏のこの発言は誤りで、米国政府の国立海洋局はWebサイト上に「米国の海岸線に沿った海面は、今後30年間(2020年~2050年)に平均して10~12インチ上昇すると予測されている」と掲載しており、数字が全く合っていません。

共和党内にも気候問題に関心を寄せる人物はいますが、リーダーの意向もあり党として積極的な対応は行えていません。むしろ、民主党のクリーンエネルギーへの取り組みへの批判に熱心な状況です。

気候変動と関連の強いエネルギー問題についても、クリーンエネルギーへの移行を推進しようとする民主党に対し、共和党は化石燃料の活用も継続していく方針です。エネルギー政策は、両党の支持基盤への影響も大きいことから、政争の具として扱われている側面も否めません。地球の暑さが増すなか、両党の争いも加熱しています。


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