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英米で浸透する新語「ジェネレーション・レント(借家世代)」とは

【この記事のポイント(Insights)】

  • 「ジェネレーション・レント」は賃貸を好む世代を指す言葉で、英米のメディアでしばしば使われる。
  • 家賃の上昇率は、持ち家のローン支払いの上昇率を上回り、ジェネレーション・レントの家計を圧迫している。
  • その分、消費に回す余力がなくなっており、経済への悪影響が懸念される。

家を買えない? 買わない?「ジェネレーション・レント」

「ジェネレーション・レント」という言葉をご存知でしょうか? 日本でも浸透してる「ジェネレーションZ(Z世代)」と同様に世代を表す言葉で、英米では近年、新しい消費志向を論じる文脈でよく使われる言葉です。

この言葉がはじめて使われたのは、2000年代初頭のイギリスだとされており、「家を購入する財力がなく、賃貸で暮らす世代」を意味していました。2014年には、賃借人の権利を訴えかける同名の活動団体「Generation Rent」が立ち上がるなど、英国内では広く浸透している言葉です。

また、イギリスでの使われ方とは意味が若干異なりますが、アメリカでも使用例が増えて来ました。アメリカでは「買えないのではなく、なんらかのポリシーからあえて家の購入を検討しない世代」を指すことが多く、特に「親世代のように郊外で家を買うよりも、都心の賃貸に住むことを好む世代」として語られることが多いようです。年齢の幅は広く、20代半ば~40代前半まで、いわゆるミレニアル世代とZ世代も含まれます。

いずれにせよ、賃貸に住まう人が多い世代を指す言葉であることには代わりありません。翻訳するなら「賃貸世代」や「借家世代」と言ったところでしょうか。

パンデミックから利上げまでの流れすべてが、家賃上昇につながった

そんなジェネレーション・レントという言葉ですが、昨今メディア等に登場する機会が増えました。なぜなら、彼らは今、高騰する家賃の支払いに苦しんでいるからです。

まず、パンデミックによるリモートワークの普及により、自宅環境を良くしようとする人が増えました。救済のための低金利政策も手伝って、住宅需要は急上昇しましたが、供給は増えなかったために住宅価格が上昇。販売価格の上昇に伴い、家賃水準も上昇しました。

次に、景気回復がインフレを引き起こしました。パンデミック下のレイオフから一転、経済活動が急速に再開したことで、企業は労働力不足に陥り、待遇を向上させて人員確保を図りました。賃金が上昇したことで、製品やサービスの価格も上昇し、あらゆるものの価格が上昇。不動産も例外ではなく、家賃も上昇しました。

トドメは利上げです。利上げはインフレ対策として行われるわけですから、家賃も低下するのが理想です。しかし、実際にはそうはなりませんでした。住宅ローン金利が上昇したことで、物件オーナーたちのローン支払い額が上昇、その分を回収するために家賃も上昇したのです。

ジェネレーション・レントの消費力が低下

さまざまな事象が重なって、家賃は今、非常に高い水準にあります。ジェネレーション・レントは若く収入も少ない世代です。賃金は上昇傾向にあるとはいえ、上昇幅は元の賃金が高い上の世代と比べれば小さめです。家賃の上昇を吸収できるほど昇給した人は少なく、収入に対する家賃負担率が増し、その分は残業や副業で稼ぐか、貯金を辞めたり、生活水準を落としたりして賄うしかありません。

ジェネレーション・レントはお金も時間も余裕も減っています。それはつまり、この世代の消費が弱くなっているということでもあります。アメリカでは、ミレニアル世代以降に生まれた世代が過半数を占めており、ジェネレーション・レントはそのなかでも大きなグループです。彼らの消費が減退することは、米国経済にとっても好ましくありません。

日本でも延々と繰り返される、持ち家VS賃貸論争。英米の現在は、賃貸派からすると目を背けたい状況なのかもしれません。

 

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