Highlights
- 米国の不動産取引は思いのほか順調に動き続けている
- 新築や開発中の工事など遅れが出ている分野もある
- コロナショックが単なる逆風とはかぎらない
- 情報収集を怠らないことが重要
3月のアメリカ、経済活動は日本に近い状況
3月からアメリカでも新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、各地で外出禁止令が出されています。米国不動産への投資を行っている、または考えている日本の方にとって、どんな影響がありそうかをお伝えします。
まず、オープンハウスが仕入れを行っているエリアの現状ですが、スーパーは時短営業となり商品もふだんよりは少なめですが、物流は止まっておらず生活に困るようなことはないようです。レストランは持ち帰り営業のみ。ネットアクセスは平時よりもやや遅い印象です。ライフラインは通常どおり使用可能です。
一方この状況でも外出が認められている職業があります。医療系、軍や警察、発電設備やダムなどのインフラ系の職種などはもちろん該当していますが、“生活基盤を維持するのに不可欠なサービス”として不動産業も認められています。お客様からの要望、売主様からの了解等があれば内覧もできる状況です。
米国の不動産取引はまずまず順調
不動産取引は続いています。MLSという不動産のポータルサイトのデータによれば、3月に関してはテキサス、ジョージアともに、前月より市場滞留期間が短くなり、成約価格も上がっています。これは不動産の需要が依然高いことを意味します。例年、冬である1月、2月は動きが良くないシーズンなので、3月に入って良くなってくるのは通常どおりなのですが、今年も概ね例年通りの動きとなっています。
また外出禁止令が出されたにも関わらず、新規物件数も前月から増加しています。ただし成約件数は新型コロナウィルスの影響もあるのか、微増に留まっています。
さらに、賃貸募集も通常通り行われており、新規賃貸付けに関しても、当初の推定通り順調に稼働しております。
4月に入ってからのデータはまだ不十分ですが、やはり取引件数は減っているようです。しかし、成約日数は前年や前月と比べても、また直近5年の中でもかなり短くなっていて、成約価格も高水準になっています。不動産の値崩れは起きていないようです。
新築や商業不動産には影響も出ている
とはいえ新型コロナウィルスの悪影響も出てきています。一つは工事関係です。外出禁止や在宅勤務の動きが広がっていることもあり、工場の停止による資材の供給ストップや、人材確保の難しさから、たとえば新築や開発中の工事などへの影響が出ています。
また、ネット広告の掲載等は引き続き実施しており、現地の不動産会社では3Dで住宅の中を見ることができるようなビデオツアーを行ったりもしていますが、内覧数は減少し、募集期間も長くなってしまうことが予想されます。現テナント様は退去日の、入居希望者様は入居日の延期を希望される事例が発生しているほか、一部のテナント様から、就業状況の変化により4月分の賃料の支払いが困難である旨の連絡を受けています。
なお、トランプ大統領からは、賃料滞納裁判や強制退去執行手続の延期が通達されているので、具体的な対策は難しい状況です。ただし、この状況で賃料相場が崩れることはなさそうです。
この状況を鑑みて、アメリカでは失業者に対する保険の拡充が発表され、一律給付の決定もなされています。現地管理会社では、職を失ったテナント様に対しては、失業保険等の申請を強く推奨することで、少しでも賃料の滞納を防ぐべく努めています。
最新の情報を追い続けることが大切
新型コロナウィルス感染症は不動産投資に大きな打撃を与えるでしょうか? 正直なところ、まだ予想はつきません。現時点では大きな影響はなかったとしても、今後影響が出てくる心配はあります。オープンハウスでも、正直なところどうなるのか予想はできませんが、現状考えられる悪材料と好材料を考えてみましょう。
まず、住宅ローンの返済が滞ることで融資をする金融機関などの資金繰りが悪化する可能性があります。また店舗や娯楽施設などの商業関連やオフィス関連の不動産は需要が減って価格が下がる可能性もあります。それが住宅系の不動産価格に影響する可能性もないとはいえません。その一方で、好材料としては今回の外出禁止令をきっかけに在宅勤務が増えることによって、割安でスペースのある郊外の住宅が選ばれる傾向になっていく可能性が予想されています。
アメリカの中央銀行にあたるFRBは、コロナ不況への対策として政策金利の引き下げを行い、実質ゼロ金利としました。このため、現在は住宅ローンの金利がとにかく安く、購入者にとっては非常に条件がよくなっています。また借り換えの動きも活発で破産する方が少なく、不動産の価格が下がりにくい状況です。
株式市場は大幅に値下がりしましたが、不動産はもともと株式との連動性は低い市場です。新型コロナウィルスによる経済の停滞がどれくらい続くかは分かりませんが、衣食住のうちの一つである住宅のニーズがなくなることはありえません。
もともとアトランタなどは、不動産としての基盤は安定していて、供給は不足気味でした。これからの4月、5月は本来は引っ越しシーズンのため、外出禁止令が緩んだ場合には、一気に不動産市場が動く可能性があります。
リーマンショックからの回復の力強さを見ても分かる通り、やはりアメリカ経済は日本と比べると底力があります。そして、アメリカは日本の感覚と比べると、不況への対策も反応も圧倒的に速いです。
『大富豪は不況時に生まれる』という格言もあるように、不況のときはチャンスでもあります。オープンハウスからも最新の情報を常に発信させていただきますので、重要なタイミングを逃さないように、常に情報を収集しておくことをお勧めいたします。
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