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【アメリカ確定申告】知っておきたい基礎知識 「第3回:アメリカ不動産を日本法人で購入した場合の手続き」

はじめに
アメリカ不動産を日本法人名義で購入したら、個人の手続きとは異なる手続きをする必要があります。本日は法人でのアメリカ不動産購入後にはどのような手続きが必要なのか、またその流れについてお伝えさせていただきたいと思います。

支店登記

決済手続き後、アメリカ不動産を購入した州に、日本法人の支店を登記する手続きを行います。例えばテキサス州の物件を購入した法人の場合、テキサス州に当該日本法人の支店を登記することになります。

支店登記においては、日本の法人登記簿と同じような情報を州に登録します。州によりますが、書類提出から1~3週間で受理され、登記証明書(Certificate of Filing)が発行されます。

複数物件を異なる州で購入した場合

原則、支店登記は物件を購入した州で行います。異なる州で物件を購入した場合は、それぞれの州での支店登記が必要です。例えばテキサス州、ジョージア州それぞれ1物件ずつ購入した場合、当該日本法人の支店はテキサス州、ジョージア州それぞれに必要となります。

法人の納税者番号の申請

州の支店登記完了後、EIN(Employer Identification Number: 連邦雇用主番号)を申請します。このEINはアメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)へ交付申請をし、交付されます。EINの申請方法はオンライン申請と郵送申請の2つがあり、オンライン申請であれば即日交付され、郵送申請だと2~3週間程度かかります。

日本とアメリカの確定申告

日本法人でアメリカ不動産を購入した年以降の確定申告は、個人と同じように日本、アメリカ両方で行う必要があります。日本では通常の事業所得にアメリカ不動産収支も合算して申告をし、アメリカは不動産のみの収支で決算書を作成、確定申告を行う流れになります。

日本は決算月の2か月後が確定申告の期限ですが、アメリカは決算月から5.5か月後※が申告書提出締め切りとなります。よって日米両方の確定申告は、決算月後、まずは日本の確定申告を終え、その後アメリカの申告をする流れになります。特に初年度は、日米それぞれの顧問税理士が確定申告の流れを把握し、連携していくことが大切になってきます。

※日本法人の支店は5.5か月後ですが、アメリカ現地法人の場合は3.5か月なのでご注意ください。

アメリカの申告で認められる経費

アメリカの確定申告においては、支店登記費用、融資事務手数料、返済金利などが経費になります。その他、海外送金の送金手数料、公証役場印紙代、エスクロー費用など、物件購入に直接関係する費用も経費となります。

米国税理士 渡邊聡美 
渡邉聡美
株式会社フェニックスデール 代表
米国税理士

アリゾナ州立大学卒業、会計学専攻
Deloitte Tax LLP ミシガン州デトロイトオフィスにて税務を担当
監査法人トーマツ、金融インダストリーグループにて金融監査を担当
みずほ銀行 国際戦略情報部にて米国会計税務コンサルティングを担当
株式会社フェニックスデール 立ち上げ

米国進出支援事業、米国事業投資、会計支援事業の経験を活かして、米国不動産を専門とした税理士として地位を確立。主に米国確定申告代行業務を行っている。

▼株式会社フェニックスデール公式サイトはこちら
https://phoenixdale.com/

【関連記事】
 第1回:アメリカ不動産を買ったら、日米両方の確定申告が必要

第2回:アメリカ不動産購入をしたらまず初めに行う税務手続き

第4回:個人・法人の税務手続きの違いについて

第5回:アメリカ不動産購入時手続きをしなかった場合、どうなるか?

第6回:どの書類を用いて税務申告するのか(個人)

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