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米国の利下げ局面入りは不動産市場にどのような影響を与えるか

FRBが2024年9月に0.5%の予防的利下げを実施

FRBは9月のFOMCにおいて、最後の利上げとなった2023年7月から15ヵ月ぶりに政策金利を引き下げて、FF金利を4.75~5.00%とした。今回の利下げについては、引き下げ幅を0.25%に留めるか、0.5%とするかで事前の予想が分かれていたが、結果としては0.5%の大幅な利下げとなった。
このような大幅な利下げとなったのは、最近の雇用関連指標の弱さを重視したためである。図表1の通り、FOMC参加者の実質GDP成長率見通しは、2024年について前回公表された6月見通しから小幅に低下しているが、2025年以降は変わっていない。その一方で、失業率見通しは2024年で前回から0.4%ポイントの上方修正が行われており、長期的な安定水準に戻るのは2027年とされた。そして、インフレ率の見通しは2024・2025年で低下しており、ここからも今回の急激な利上げ効果が雇用環境の緩和とインフレの減速に寄与したとの判断が窺える。
現在の米国経済は未だ堅調であるものの、今後は高過ぎる金利水準が景気後退に繋がるとのリスクを考慮して、早めに大幅な利下げを実施し、米国の景気減速を小幅にとどめるという、フォワードルッキング(予防的)な金融調節の色彩が強いことが読み取れる。

図表1:2024年9月FOMC参加者の見通し(中央値、%)

img01_20241025

(注)網掛け部分は前回予想(6月会合)からの変化を示す。括弧は前回予想との差であり、同じ値であれば記載していない

FRBの政策金利見通しも2026年まで低下基調に

図表2の通り、FRBが示したFF金利見通しは、2025年まで大幅に低下している。2024年のFF金利見通し(中央値)は4.4%となっており、年内2回のFOMCで0.5%程度の利下げを予想していることが読み取れる。更に、2025年には2024年から1%の利下げが見込まれており、現在のペースで2年間の利下げが続くことになる。その後利下げベースは鈍化して、2026年と2027年のFF金利見通しは2.9%で横ばいとなっている。
FF金利の予想分布をみると、将来の見通しは不確実であるため、2027年のFF金利見通しは、2.25%~3.75%の範囲に散らばっている。このような予想幅の広さからも、利下げによって景気後退を早期に防ぐことができれば、物価上昇率次第で、FF金利の水準は相応に変化するとの見方が窺える。
利下げの効果が予想以上に景気を刺激すれば、再びインフレ懸念が到来するということで、金利が下がりづらいという、景気とインフレのバランスの中で今後のFF金利が決定することとなろう。その点では、今後の経済指標の動向はこれまで以上に重要となる。

図表2:2024年9月FOMC参加者のFF金利(中央値)の見通し(%)

img02_20241025

出所:FRB

利下げが住宅市場を下支えする要因に

これまでの住宅ローン金利の上昇は、住宅市場の取引を抑制する要因であり、足元は住宅価格の前年比伸び率は鈍化しつつあった。今回、FRBが金融緩和に舵を切ったことは、住宅市場を下支えする要因となるだろう。
図表3を見ると、金利低下局面に入ると、やや遅れて住宅価格の前年比が上昇することが読み取れる。なお、1990年代初頭の米国金融危機の時期、2009年頃の世界金融危機といった、金融システムに問題がある場合には、不動産や等の資産価格の回復は鈍い。しかし、今回のように幾つかの大手地銀の破綻はあったものの、その問題が米国の金融システム全体に波及せず、個別金融機関の問題に留まっていることを踏まえれば、今回の利下げは資産価格全般に相応のポジティブ効果をもたらすことが予想される。そして、FRBは資産価格の上昇がインフレ懸念を再び高めるか否かを見極めつつ、金融政策の微妙なかじ取りを求められることになろう。

図表3:FF金利と住宅価格

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注:網掛けは利下げ局面を示す。

出所:QuickFactSet

執筆日2024.09.19

著者 柴崎健(SBI大学院大学 経営管理研究科教授)

1989年日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行後、みずほ証券にて金融資本市場の調査(金融・財政・マクロ経済・金融制度・ESG投資等)に25年間携わる。みずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ) にてコンサルタント、みずほ証券グローバル戦略部にて産官学連携にも従事。
SBI大学院大学教授、京都大学客員教授、早稲田大学非常勤講師等を務める。

著書『金融緩和のもとでの国債リスク』、『2020年 消える金融』(共著)、『シナリオ分析 異次元緩和脱出』(共著)、 『金融資本市場と公共政策-進化するテクノロジーとガバナンス』 (共著)、『現代ビジネスエシックスと企業価値向上』(共著)等

 

※この記事は、執筆日時点の情報を基に作成しています。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。

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