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医師として、経営者として、そして父として。(ゲスト 深川 和己氏:第1回)

作成者: Discovery~賢者の習慣~ 編集部|2022.12.08

賢人を賢人たらしめている行動や考え方は。そして大切にしている習慣は──。
インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます。

父親の想定外の行動で医師の道へ

鎌田

深川さんは眼科専門医としてクリニックを運営する傍ら、売上300億円を誇る企業の経営者でもいらっしゃいます。両立させる秘訣は何でしょうか。

深川

曜日で仕分けているんです。月曜日はクリニックで眼科医として患者様に接し、火曜日は慶應義塾大学病院で非常勤講師として研究に取り組み、水・木・金は株式会社フカガワのオフィスで経営者として働き、土日は家族と過ごしています。

鎌田

実に多様な生き方をされていらっしゃいます。医師としては理事長をお務めの医療法人慶翔会のクリニック3ヵ所がお仕事の場ですね。

深川

それぞれのクリニックに立派な院長がおりまして、マネジメントは任せています。理事長としての私の役割は院長会議の場での舵取りですね。「Googleマップのポイントはどう?」とか。

鎌田

クリニックもポイントを気にされる?

深川

ええ、後輩のクリニックを見学した際に「Googleマップのポイントは気にしたほうがいいですよ」とアドバイスされて、目からウロコでした。クリニックってサービス業なんです。患者様には帰りがけに「今日は来てよかった」と満足していただかなくてはなりません。そういう意識をもたないとGoogleマップにポイントがつかないどころか、クレームを書かれたりするんです。

鎌田

時代は変わりましたね。今ではお薬でさえ誰でも簡単に調べられちゃう。

深川

ええ、患者様にご納得いただけるよう、薬もしっかり説明してからお出ししないといけません。

鎌田

そもそも深川さんはどうして医者になろうと思ったんですか。

深川

実は経済学部が第一志望で次が理工学部、第三志望は商学部でした。医学部に進学するつもりなんてまったくなかったんです。ところが高校の進路相談の場で父が突然立ち上がって「先生、どうか息子を医学部に行かせてください」と懇願したんです。これには驚きました。

鎌田

びっくりですねえ。成績はよかったと。

深川

ええ。それで父親の勢いに押されるままに、医学部に進学することになりました。

鎌田

眼科を選んだのはどうしてですか。

深川

今は医学部を卒業すると研修医として数年勤務した後に専門科を選択しますが、当時は卒業前に科を決めなくてはなりませんでした。自分としてはなんとなく内科がいいかなあと思っていたところ、正月の三が日も明けた頃に尊敬する先輩から電話がかかってきて「うちの病院に遊びにおいで」と。

鎌田

お誘いがきたわけですね。

深川

出かけていったら手術室が用意されていて、眼科の手術の練習をさせられることになりました。言われるままにやってみたら「うまいねえ、素質あるねえ」と先輩がおだてるわけです。それで気分がよくなって、眼科もいいかなと思ったのが決め手となりました。

鎌田

要するにその先輩は眼科医を増やそうと企んで、深川さんをリクルートされたと。

深川

そうなんですよ。そういや看護師も一緒になって「お上手ですね!」なんて妙に盛り上げていたなあって、後になって気づがつきました。うまくはめられたんですね、きっと。

※この対談は2022年11月30日に弊社「GINZA XI」ラウンジ(東京・銀座)にて行われました。

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