今週はテキサス州の動きについてお知らせします。
さる現地時間7月2日木曜日、テキサス州知事のグレッグ・アボット氏は新たな知事令を交付。全てのテキサス州民に対してマスクの着用を求めました。
具体的には、20名以上の新型コロナウィルス(COVID-19)の感染者がいる郡(カウンティー)においては、全ての住民に対して鼻と口を何らかカバーすることを求めています。また、今回これと同時に、10名を超える集会の禁止を発令。人と人との間を6フィート以上に保つ、いわゆる「ソーシャルディスタンシング」の強制も発令しました。
アボット知事は「顔を覆うマスク等の着用は新型コロナウィルス(COVID-19)の流行速度を緩める最も有効な策だ」と発言。さらに「州民の所得を維持確保するためには、ビジネス再開を継続し経済を前進させなければならない」と決意を示し「このためには、マスク着用というそれぞれの役割を果たす必要がある」と強調しました。
また「大規模な集会等は明らかに感染を広める」とし「集会規模に制約を与えることでテキサス州民の安全を確保する」としています。
当社テキサス駐在員によりますと、テキサス州ダラス・フォートワース周辺の都市部でもマスク着用を嫌う住民が見られるとのこと。また、郊外になればなるほど、マスクの着用率は低いという実態を観測しています。
日本とは大きく異なり、アメリカ国民にとってマスク着用はきわめて不慣れなもの。今回の措置はそうした生活習慣を変えてなんとか感染拡大を防ぎたい州政府の危機意識を表していると言えそうです。
さて、テキサス州における足もとでの新型コロナウィルス(COVID-19)の感染数についてです。
テキサス州健康サービス局の発表によりますと新型コロナウィルス(COVID-19)の感染数は7月1日に過去最高となる8076名を記録。続く7月2日にも7915人と引き続き最多水準に近い感染数に達しました。
経済再開の動きをスタートして以降、感染数の拡大傾向が顕著となっていることは否定できません。今回、マスク着用義務付けに一貫して反対し続けてきたアボット知事が着用義務付けに傾いた背景には、こうした事情があるようです。
感染数が100名を超えて大きく報じられている東京ですが、アメリカの事情はスケールが異なるようです。
以上、田力優がお伝えいたしました。
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