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勝算はビジネスモデルにある。江口 康二氏(第2回)

作成者: Discovery~賢者の習慣~ 編集部|2023.05.18

賢人を賢人たらしめている行動や考え方は。そして大切にしている習慣は──。
インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます。

21年ぶりのNASDAQ上場に命運を賭ける

鎌田

現在『Re.Ra.Ku』はいくつありますか。

江口

311店舗です(2023年3月時点)。

鎌田

新型コロナ感染症のときは大変だったでしょう。

江口

2020年の4月から5月のあたり、緊急事態宣言が発令された頃はまさしく冬の時代でしたね。ショッピングモールなんかも全部閉まっちゃって。売上はほとんどゼロです。元々当社はセラピストを常時雇用しておりました。この時期にも当社ではセラピストが安心して働けるようにと、固定給を支払っていましたから、人件費も家賃も毎月出て行くばかりでした。

鎌田

それは厳しいですね。

江口

創業以来23年間、銀行融資の返済が遅れたことはないし、約定弁済を変えたことも一度もなかったので、いざとなったら銀行に助けてもらおうと考えていました。ところが相談に行ったら、全部断られてしまった。まあ、銀行とはそういうものだからと自分に言い聞かせましたが。

鎌田

いよいよ万策尽きた感じですね。

江口

ええ、それでこれはもうNASDAQに上場して資金を調達するしかないと腹をくくりました。

鎌田

NASDAQに光を見出したと。

江口

ところがNASDAQにダイレクトで上場するケースは21年ぶりだったそうで、アメリカにも日本にも、対応できるコンサルタントがいませんでした。誰もトランザクションがわからないんです。それでも他に道はなく、諦めムードの関係者をとにかく鼓舞し、24時間体制で働いてもらって何とか上場にこぎ着けました。動き出すとさすがにアメリカは速かったですね。

鎌田

IPOできたのはいつでしたか。

江口

12月29日でした。これがなければ翌1月15日に給料は払えなかったですね。

鎌田

大変な綱渡りでしたね。私だったらとても夜は眠れない。

江口

文字通りギリギリでした。これ以外に生き延びるための道がなかったので、絶対にできると自分を信じるしかなかったです。

鎌田

その後、NASDAQに上場する日本企業が続きました。

江口

ええ、その意味で私たちは野茂英雄だったと自負しています。

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