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ニューノーマルを生きる。(ゲスト石川 善樹氏:第2回)

作成者: Discovery~賢者の習慣~ 編集部|2020.09.23

賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます

“いい会社”の条件が変わった

鎌田

今おっしゃったような新しい価値観は、ビジネスの場にも及んでいるのでしょうか。

石川

いい会社という概念が大きく変わってきたことは、例えば台湾のオーライトという会社が示してくれています。この会社はオーガニックシャンプーやコスメをつくっているのですが、クレードル・トゥ・クレードル(ゆりかごからゆりかごまで)のコンセプトで、徹底的に持続可能な製品づくりをしています。例えばシャンプーのボトルには木の種が入っていて、土に植えると1年で分解され、そこから樹が生えてくるんです。それで普通のシャンプーの何倍もするほど、高価です。

鎌田

面白いですねえ。

石川

現代のいい会社って、こういう会社なんだと思うんですよね。それこそオーライト社の社員は紙の名刺を持っていません。紙の名刺ってウィルスが付着しているかもしれないし、紙資源の無駄遣いだし、もはや圧倒的に不要なんです。これからは名刺交換も、スマホを出してQRコードで行われるようになるでしょう。社長が紙の名刺を使っていると、「御社は環境についてどのようなお考えをお持ちですか?」と問い詰められるようになるかもしれませんね。

鎌田

確かに紙の名刺は合理的ではありませんね。

石川

こうしたニューノーマルの概念はとても重要で、もはや私たちはこれまでのノーマルには戻れないと思います。

鎌田

コロナも一つの契機になったと思いますが、いろんなところで“このままでいいのか”という見直しが進んでいるんですね

石川

イギリスではロックダウン後に幸福感を覚える国民が増えたという報告があります。おそらく、自粛で家の中で過ごす時間が増え、幸せとは何か、生きることとは何かと、改めて自問した結果ではないかと考えています。今までの生活は速すぎた、急ぎすぎた、と。アメリカだと、若い世代では、ほどほどのお金を貯めたら早く退職しようというFIREムーブメントが話題です。

鎌田

FIREですか。

石川

Financial Independence, Retire Earlyの頭文字です。贅沢はできなくてもシンプルに生きられれば十分という程度のお金を貯めてリタイヤし、後は“ほんわか”生きる。これも“レス・イズ・ベター”です。例えばキャンプ用品なんか、安い割には頑丈で、何十年も使えるじゃないですか。生きていくにはこれで十分と思えるのが、ニューノーマルだし、ある意味ニューラグジュアリーと言ってもいいのかなと。

鎌田

コロナで、今までの生き方はあくせくしすぎていた、と気づいたのですね。

石川

ただ、経済的にあまりにスローダウンしすぎると、そのツケは次世代にのしかかってしまいます。規模の経済は絶対に大切で、GDPは成長させ続けなくてはなりません。なぜならGDPというのは社会的に弱い立場にある人たちに分配できる原資の余力を示す指標でもあるので、当然GDPは大きい方がいい。


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