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“型”を知るからこそ、ヒットが生み出せる。(ゲスト 佐渡島庸平氏:第2回)

作成者: Discovery~賢者の習慣~ 編集部|2021.08.11

賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。
インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます

感動の伏線として“驚き”を仕込め

鎌田

『ドラゴン桜』はノウハウ本なんですか?

佐渡島

あれはスポ根と同じなんです。努力して甲子園を目指すのはかっこよく描かれるのに、ガリ勉で東大を目指すのはかっこ悪いとされていました。でも努力して夢をかなえるのは一緒じゃないですか。作者とそんな話をしていたところから生まれたのが『ドラゴン桜』です。勉強法などは実際に東大生に取材して素材を集めました。

鎌田

そういうアイデアや素材をもとに一つの作品に仕上げていくのですね。プロデューサー、オーガナイザーという印象です。アイデアを商品にまで昇華させていくのは大変でしょう。

佐渡島

先ほどの話ではないですが、毎週アイデアが必要ですからね。出ないときは本当に大変です。

鎌田

苦しいでしょうねえ。

佐渡島

ところがそんなときでもベテラン作家は、ちゃんとアイデアを出せるんです。というのもベテランは物語の型を知っていて、その型に忠実だから、最後にはしっかりした形に仕上げられる。

鎌田

なるほど、ベテランほど苦しいときは基本に戻るということですか。

佐渡島

そうなんです。アイデアが出ないで苦しいときって、だいたい特別なこと、変わったことをやろうとしているときなんですよ。もっと驚かせたいとか、型破りにしたいとか。そんなときこそ基本の型に戻るべきですね。これは家づくりも一緒じゃないですか。住宅という基本の型がしっかりしていてこそ、間取りや内装で違いが生み出せると思うんです。

鎌田

確かに。

佐渡島

そうした基本の型ができたうえで、どうするかを考えます。基本だからいくつもパターンはいりません。心に響く型はだいたい同じなんです。そのうえでお客さん、つまり読み手に合わせて中に入れるものを変えていきます。例えばシンプルなことでは、感動の前には必ず驚きをもってくる。

鎌田

ほう、どういうことですか。

佐渡島

感動できない物語って、だいたい驚きを描いていないんですよ。どんなにいい話でもそのまま見せるんじゃなくて、読み手の目線で期待値を上げて、「えっ!」と驚かせることが大切です。

鎌田

なるほどなあ。そんなふうに多くのヒットを生み出した後、講談社を辞めて独立されました。コルクという社名の由来は。

佐渡島

生み出した作品を世界に運び、後世の人も読めるよう残すために、ワインにとってのコルクのような存在になるという想いを込めました。

鎌田

クリエイティブをマネタイズする、新しい方法論への挑戦ですね。

佐渡島

今は試行錯誤の連続です。かつてはメディアが力をもっていましたから、作家が世に出るには編集部に何度も作品を持ち込むしかなかった。しかし今は企業が漫画を使って発信する仕組みがあるので、そこを活用できないかと考えています。実際に「当社の統合報告書を漫画にできないか」という話がくるんですよ。

鎌田

へえ、統合報告書を漫画で!

佐渡島

ヒット商品を生み出した人たちの物語を社内向けに漫画にしたり、土木業の魅力を伝えるためにダムの現場を取材して漫画にしたり。企業を舞台にした漫画へのニーズは確実にありますから、まずはそんなアプローチによって漫画家としての生活を安定させて、その後に自分の描きたいものを描かせたらと考えています。

鎌田

確かに最近は漫画もあまり読まれなくなっていますし。

佐渡島

皆さん、書店に足を運ばなくなりましたね。かといってわざわざAmazonで検索して買うほどでもないのが漫画じゃないですか。だからスマホというプラットフォームで漫画が活躍できる方法はないか、様々な切り口を考えているところです。

 

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