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ドキュメンタリー作家はなぜ事業家として成功したのか。(ゲスト 井川 幸広 氏:第1回)

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2020.01.08

賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます

極貧のフリー時代も、野心は尽きなかった

鎌田

ご出身は佐賀県ですね。

井川

ええ、よく“何もない”と言われる佐賀です。江戸時代に『葉隠』が書かれたのは佐賀県なんですが、葉隠れの本来は質素倹約という意味なんです。ただ、土地が狭くて、次男坊は大きくなったら外へ働きに出るしかなかった。だから佐賀県出身の経営者は、案外多いんですよ。

鎌田

働き者の土地なんですね。そんな佐賀県で、どんな幼少期を送られましたか。

井川

父が九州電力でダム設計の仕事をしていたので、山での暮らしが多かったですね。隣の家は500m先だとか、小学校へ通うのにバスを1本逃すと2時間歩かなければならなかったとか。引っ越しも多くて、小学校時代は45回転校しました。

鎌田

中学からはサッカー漬けだったそうですね。

井川

中学、高校とずっとサッカーです。中学では県大会2位で、高校でも県の2位まで行きました。ポジションはセンターフォワードで、ゴールの前で飛び出して点を取るタイプです。母校は今でもサッカーの強豪ですよ。

鎌田

小学校時代は山の中で野生児のように暮らして、中学、高校はサッカー漬けだったと。だから井川さん、今も体力があるんですね。

井川

そうかもしれません。今でも二晩の徹夜は平気ですし、会食も週に5日は二次会まで行きますよ。

鎌田

週に5日! それはスーパーだなあ。

井川

二次会、三次会でなければ会えない方もいらっしゃいますからね。

鎌田

健康法はあるんですか。

井川

断食はとてもいいですよ。年に一回断食しているんですが、その後は健康診断の結果も非常にいいです。あと、サプリメントはいろいろ飲んでます。もっとも、新しいサプリが出るとすぐに飛びついて、すぐに飽きてしまう。

鎌田

飽きっぽいんですね。

井川

せっかちなんですよ。エレベーターも、行き先階を押す前にまず「閉」のボタンを押しちゃうし、コース料理も面倒だからすぐにメインを出してもらう。小学校では1年から6年まで通知表に「落ち着きがない」って書かれました。

鎌田

最初に就職した会社を1年で辞められたのも、せっかちだったから?

井川

というか、フリーになりたかったんです。最初はサラリーマンとしてニュース映画などを制作していたんですが、優秀な人はみんなフリーランスなのを見て、自分も一日も早くフリーとして活躍したいと考えて会社を辞めたんです。ただ、それからは大変でした。甘くはなかったですね。

鎌田

お金もなかった。

井川

帰省はヒッチハイクで、総額250円で佐賀まで帰ったこともありましたよ。当時住んでいたのは家賃7500円くらいの風呂なし、トイレ共同のアパートだったんですが、金がないから銭湯にも行けない。そんな状態でとにかくドキュメンタリー番組の企画書を書いてはコンペに出し、落ちてはまた書くという繰り返しでした。

鎌田

でも、大きな賞を取ることができたんですよね。

井川

ええ。“これが最後かも”と思って応募したドキュメンタリーのコンペが通ってしまったんです。ところが、どうせ通らないだろうと思って立てた無茶な企画だったから、実際に制作したら絶対に赤字になるという内容で、誰もやりたがらない。結局「誰もやらないから企画を立てたお前がやれ」ということになって、監督まで引き受けることになってしまいました。

でも、おかげで次から次へと仕事が舞い込むようになって、ギャラも企画書15万円だったのが10万円、50万円とあがっていきました。コンペの勝率は3割5分を超えてましたね。

鎌田

よくそんなに次から次へと企画が出てきましたね。

井川

コンペのテーマが決まったら、まず神田の古本屋街に行って関連する本を10冊買ってくるんです。最初の3冊は読んでもちっとも理解できない。ところが4冊目から7冊目では、書いてある言葉がわかるようになる。そして8冊目から10冊目になると内容も頭に入ってきます。そんな具合に知識を増やしていきました。だから部屋の中は本だらけでしたねえ。本代のために60円のインスタントラーメンを割って、13回に分けて食べていたこともありました。さすがに栄養失調になりましたが。

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