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クリエイティブとマーケティングの架け橋として。(ゲスト家次栄一氏:第1回)

作成者: Discovery~賢者の習慣~ 編集部|2020.12.09

賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます

ゲームCMならではの難しさを痛感

鎌田

社会人としてのスタートは広告会社だったそうですね。

家次

学生の頃は自分にどんな仕事が向いているかわからなくて、営業や企画の仕事は面白そうだし、広告業界には興味があるし、ということで深く考えずに飛び込みました。

鎌田

職種は営業ですか。

家次

ええ、特に新規開拓が好きだったですね。先輩から引き継いだ既存のクライアントだと、従来のやり方を踏襲しなければならなくて窮屈なんです。その点自分で開拓した新規クライアントだったら、自分のやりたいようにできるから面白かったですね。

鎌田

どんな業種のクライアントを開拓されましたか。

家次

メーカー、サービス業、英会話、製薬、引っ越し屋、テーマパークなど幅広かったですね。そんな中で89年頃に開拓したのが、カプコンというゲーム会社だったんです。

鎌田

カプコンさんとはどんなお仕事を。

家次

任天堂がファミコンをヒットさせてから、ゲーム会社はアーケードゲームから家庭用ゲームに注力するようになりました。家庭用ゲームのプロモーションにはいわゆるマス媒体が必要でしたので、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌にゲーム専門誌を加えた広告展開を手がけました。

鎌田

ゲーム会社の広告制作というのは、やはり特殊なんでしょうか。

家次

例えば飲料や食品のCMならコンセプトワークから自由にできます。しかしゲームの場合、そのゲームタイトル自体が独自のコンセプト、世界観を持っていますから、シナリオの中の台詞やキャラクターを活かさなければならないという難しさがあります。それこそキャラクターが美しければ、タレントなんて不要ですから。これは映画のCMでも同様ですが、素材をどう活かすかというクリエイティブは難しかったし、同時に面白みでもありました。

鎌田

そして2000年に、そのカプコンさんに家次さん自身が身を転じられます。

家次

カプコンには岡本吉起さんという天才プロデューサーがいまして、私はたまに飲み屋で顔を合わせる程度の関係だったのですが、彼との縁で入社することになりました。

鎌田

天才プロデューサーですか。

家次

凄かったですよ、岡本さんは。頭の中がどうなってるんだと思っていました。その岡本さんがカプコンの開発全体を統括することになり、同時にマーケティングの体制も見直したいからということで私に声がかかったんです。

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