賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます
平林さんといえば富士山ですね。
富士山とは不思議な縁なんです。私の誕生日は2月23日、つまり“フジサン”の日。物心ついて以来、私は“自分の誕生日は国民の祝日になる”と信じてきたのですが、実は2月23日は天皇陛下の誕生日でして、天皇陛下が即位されて、この日が本当に国民の祝日になりました。
なんともおめでたいお話ですね。
そういう星の下に生まれたものですから、富士山への思い入れはひとしおなんです。
「富士山を世界遺産にする国民会議」に携わられたのも、そうした志が出発点ということですか。
ええ。どんなことも“想い”から始まり、やがて現実になっていくものなんです。当時、富士山はゴミ問題を抱えていましたから、それをきれいにして、世界遺産として登録させるのは自分の使命だと、勝手に思い込みました。そして「富士山を世界遺産にする国民会議」を設立して理事に就任し、5年をメドに世界遺産登録を果たそうと考えたのです。
ところが5年なんてとんでもない。2013年に世界文化遺産に登録されるまで、準備期間を含めれば13年もかかってしまいました。
たいへんでしたね。
関わってくださった方々の誰一人が欠けても達成できなかったと思います。事業も同じで、社員、経営者、幹部が一体になってこそ、初めて“想い”は叶うんです。
現在は富士山登山鉄道の実現を目指していらっしゃるとのことですが。
ええ。世界文化遺産登録をきっかけに登山客が一気に増えて、年によっては30万人を超えることもあるほどです。しかもその7割はインバウンドのお客さまです。それに伴ってCO2削減のための環境対策、落石などに備えた安全対策が求められるようになりました。そこで浮上してきたのが富士山に登山鉄道を敷設しようという計画で、2019年に検討委員会が設立され、私はその理事に就任しました。
富士山を鉄道で登って観光するという、たいへんに夢のある計画です。
完成の目標は2030年頃です。コースや走行方式なども決まり、計画はかなり具体化してきました。
どのくらいかけて富士山を登るんですか。
2合目あたりからスタートして約30Kmを走る鉄道になります。2時間かけて登って、1時間かけて下りてくるイメージですね。年間利用者は500万人を想定しています。
まさに新しい観光資源の創造ですね。実現が楽しみです。
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