賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます
独立後はいかがでしたか。
とにかく自己研鑽と向上心は忘れないようにしようと自分に言い聞かせて取り組みました。そして、新築戸建て・リフォーム・不動産売買の三位一体で事業を展開する中、他社に負けない自社だけの強みを打ち出そうと考えました。市場には、売上リーダー、利益リーダー、顧客満足リーダーと、いろんな強みを持つ会社が競合としてひしめき合っています。その中でぶれずに当社ならではの強みを貫こうと考えました。
どんな仕組みを考えたのでしょう。
今当社には約1,200人の有料会員がいらっしゃって、その会員向けのサービスを通じてロイヤリティを高めていこうという戦略です。
ははあ、なるほど。住宅を引き渡した後のお客さまにお金を払って会員になっていただいていると。一体どうやって?
いや、そこがノウハウでして…
そういわず、ちょっと教えてください。
例えば、網戸を一枚交換したい、棚板を一枚取り替えたいというとき、一般の人はどこに頼んだらいいか、わからないんです。我々はそうしたご相談の窓口を用意し、有料会員にご利用いただくというサービスをつくりました。
なるほどねえ。住宅業界には建てて終わりという商売も少なくありませんが、そこにビジネスチャンスを見出したということですね。しかし、それで収益は大丈夫でしょうか。
いや、そこもノウハウでして…
やはりそうでしたか(笑)。
そうして会員になってくださったお客さまは当社に対するロイヤリティも高くなりますから、次に住宅関連で何かするときも当社に依頼されるわけです。つまりお客さまが当社の次のビジネスの基盤になってくれるんです。
なるほど。その発想はどこから得たのでしょう。
地元で商売されている方を観察すると、例えばクリーニング屋のおばちゃんは毎日お客様と接することでサービスをしています。我々もそういう顧客接点を大切にし、そこで提供できるサービスをきちんとメニュー化することでビジネスにできないかと考えたんです。
確かに住宅産業はお客さまとの接点を持ちやすいビジネスです。そこを強みにして、磨きをかけていったわけですね。
当社の出発点はリフォームなんですが、当時、悪徳リフォーム業者が世間を騒がせていました。だからこそ余計にお客さまを大切にしなければという思いがありました。
もう一点感心させられたのが、裸足で入れる現場づくりです。これはすごい。
ありがとうございます。
言うは易く行うは難しで、大変だったでしょう。
職人が半分に減りました。「そんなことやってられない」と(笑)。でも、そこは妥協しないで、残った職人には裸足で入れる現場づくりを徹底させました。すると職人自身がきれいな現場は気持ちいいと感じるようになって、自主的にきれいにするようになってくるんです。簡単ではありませんし、ムラはありますが、しつこく続けていれば、そんなふうに文化、風土として定着するんです。
これでいつお施主さんが見に来ても大丈夫と。
本気でクレームゼロを目指していますから。そのための職人教育、人材育成だと思っています。
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