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ホテルコンドミニアムの仕組みとハワイ不動産売却の流れ

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2020.06.23

Highlights

  • ホテルコンドミニアムとは、ホテルの1室を区分所有し、オーナー様がご利用になられない期間は、ホテルの客室として運用する仕組みをもつコンドミニアムのことを言う。ハワイでは一般的
  • ハワイ不動産を売却する際の流れは、依頼をするリスティングエージェント会社選び→売却金額を決めリスティング契約書にサイン→MLSに登録→買主からオファーが入りエスクロー開設→権利書の公証手続き

ハワイ特有のホテルコンドミニアムという仕組み

アロハ。今回はハワイ特有のホテルコンドミニアムについてご紹介いたします。

日本ではホテルコンドミニアム、日本語的に表現すると「ホテルマンション」になります。ただ、日本でホテルコンドミニアムという概念を知らない人がほとんどだと思います。日本では沖縄に数件ある程度と聞いており、一般的ではないかと思います。それに対して、ハワイではホテルコンドミニアムというのが一般的に知られております。

早速ですが、ホテルコンドミニアムとは、ホテルの1室を区分所有し、オーナー様がご利用になられない期間は、ホテルの客室として運用する仕組みをもつコンドミニアムのことを言います。簡単にいうと、自分が使いたいときに使って、使わない期間はホテルとして運用をして、宿泊費がいわゆる家賃収入として収益が生まれます。単純に別荘としてコンドミニアムを購入するのではなくホテル運用をした収益で、所有している間の維持管理費を補う方法として有効な手段です。

ハワイでは、「イリカイホテル」、「アラモアナホテル」や、「トランプタワーワイキキ」「リッツカールトン」など一流高級ホテルといわれるところもホテルコンドミニアムとしてございます。ハワイへの旅行の際に、ホテルとしてもご利用なされたことがある方もいるのではないでしょうか。

ちなみに、どれくらい収益を生むかというとお部屋によって大きく変わりますが、ハワイでは一般的に、ホテル運用をして、ホテル運用の収益からオーナー様が固定資産税と管理費、住宅保険等を差し引くと収支がゼロ前後になることが多いです。ただ、これはお部屋によって大きくかわり、利益が生まれているお部屋もあれば赤字になっているお部屋もございますので、購入の際に、エージェントに収支報告書(Owner Statement)の取得依頼して、稼働実績を確認することをお勧めします。なお、長期賃貸収入と違い、1日毎の貸し出しになるので稼働率も前年と同じとは限らないのも注意が必要です。

ホテルコンドミニアムを所有するなによりも嬉しいことは、通常のコンドミニアムと異なり、オーナーご自身が利用する際も、一部有料にはなりますが、到着前・デイリー・出発後のルーム清掃、洗濯などホテルのサービスを受けることができます(なお、ホテルによってサービス内容は異なります)。そういった背景から、実はハワイのホテルコンドミニアムでは日本人オーナーの割合が通常のコンドミニアムより高くなっております。

 

ハワイ不動産を売却する際の流れ

次に、ハワイ不動産を売却する際の流れをご説明します。

まず、売却をしようと思った際に、日本と異なり複数の仲介業者に売却を依頼することはできません。つまり、日本の一般媒介というものはなく、専属専任媒介契約のみとなります。よって、1社にしか依頼ができないので依頼をするリスティングエージェント会社(仲介会社)選びが重要になります。またエージェント(日本でいう営業担当)はフルコミッション(業務委託契約)で正社員ではない場合がほぼすべてとなります。アメリカでは、不動産業界に限らず、営業職といわれる方は、フルコミッション(業務委託契約)の場合が多いようです。よって「会社」に売却を依頼するというより、「個人」に売却を依頼するという色が強いです。ただその「個人」もどこかの会社と業務委託契約を結ばないと売却活動をできないように法律で決まっておりますので、「個人」といえど、「会社」も選定基準になります。個人での販売力(マーケティング)には大きな差がありますので、そのエージェントがどこの会社に所属していて、その会社のサポートがあるのかも見極める必要があります。

はじめに物件価格の査定を行い、どのようなマーケティングをして売却をしていくのかを聞き、その内容に納得できれば、売却金額を決めリスティング(専属専任媒介)契約書にサインをします。当該契約書には、契約期間、契約をキャンセルできる条件、売主と買主のエージェントに支払うコミッションなどの記載がございます。

その後、MLSという不動産業者だけが見ることのできる流通サイト(日本でいうレインズ)がありそこに登録をします。登録の際にお部屋の写真も登録するので、その写真の出来映えも重要になります。このMLSに登録すると、不動産サイトで有名なZillowやRedFinなど(日本でいうSuumoに近い存在)に自動的に反映される仕組みとなっております。

日曜日には、オープンハウスといって現地見学会を実施し、買主を集めます。ここもオープンハウスを実施しているとどこまでマーケティングできるかで、集客力が問われます。

買主からオファー(購入申込書)が入り、その条件で売主が許諾できないものがあった場合、カウンターオファーと言い、再度売主が売却条件(価格など)を買主に再度提示します。売却金額が合意したらエスクローを開設し、買主からエスクロー口座にファーストデポジット(申込金)を入金してもらう流れとなります。ここから引き渡しまで30日~45日で完了しますので日本の取引と比べスピードが速いです。

エスクロー開設後、通常14日以内に、売主が知っている情報開示書、コンドミニアム約款書類、シロアリの検査報告書を買主に提出します。またインスペクションといって建物内の検査を行います。建物内検査において、修理箇所があった場合、売主は買主に対応しないといけません。そして、買主がその上で問題ないとした場合、セカンドデポジット(内金)を買主がエスクロー口座に振り込みます。ちなみに、通常金額合意後14日以内であれば、買主は無条件で白紙解約することが可能となります。また最後の引渡し(ファイナルウォークスルー)前の確認の際には上記修理箇所の工事完了および清掃会社による清掃やカーペットシャンプーの手配を行います。

最後の引渡し登記の前に、エスクローの弁護士が作成した権利書(Deedといい、売主から買主に所有権と譲渡するための公的文書)の公証手続きを行います。公証手続きは、ハワイのエスクロー会社や日本の公証役場で署名することが可能です。これは引き渡し日より2~3営業日前までに完了している必要があります。また買主も同様に引き渡し日より2~3営業日前に残代金をエスクロー口座に入金している必要があります。

引き渡し日(登記日)当日は、エスクローから登記が完了した連絡が入ることを待ち、買主のエージェントに鍵の引渡しを行います。売却金額はアメリカの銀行口座であれば同日の午後に着金の確認がとれます。

売却費用に関して、買主・売主エージェントに支払うコミッションフィー(仲介手数料)が売却金額の約6%かかるのが慣例です。日本では買主側仲介会社に買主が3%、売主側仲介会社に売主が3%の仲介手数料を払うのが通常ですが、アメリカにおいて購入時買主は仲介手数料がかかりません。その代わり、売主が買主側エージェントにも3%、売主側エージェントにも3%の仲介手数料を払うのが慣例です。またこれはとは別にエスクロー費用に売却金額の1.5%程度かかります。この費用の中に、不動産所有権にかける権原保険、譲渡書類作成費用、所有権の名義調査費用、シロアリ調査費用、建物検査費用、不動産移転税などが含まれます。

売却の際の税金について、キャピタルゲイン税というものがございます。これは得た利益分に対して税金がかかります。日本人が売却した場合には、HARPTA(ハワイ州源泉徴収税)とFIRPTA(連邦源泉徴収税)という預かり税があります。HARPTAは売却金額の7.25%、FIRPTAは売却金額の15%となり、合計22.5%が源泉徴収されます。そのキャピタルゲイン税の金額が、源泉徴収額より低かった場合、キャピタルゲインがでなかった場合、確定申告時に返金されます。日本とアメリカは租税条約を結んでおり、外国税控除といって同じ所得に対して二重課税されないように調整される仕組みがあります。よって、日本での確定申告だけでなく、アメリカでも確定申告をする必要がございます。

 

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