昨年11月、トランプ前大統領が2024年11月のアメリカ大統領選挙に出馬を表明したことが大きな話題を呼びましたが、党内から対抗馬が現れました。
出馬を表明したのは、サウスカロライナ州の元知事のニッキー・ヘイリー氏です。ヘイリー氏は2023年2月14日に公開した動画で共和党候補として大統領選挙に出馬することを表明。このまま行けば、トランプ氏との間で予備選挙が行われることになります。
インド系アメリカ人で女性のヘイリー氏は、サウスカロライナ州史上はじめて知事となった女性であり、人種マイノリティ出身者です。また、任期中は全米50州で最年少の州知事でもあったことから、高い知名度を手に入れました。2012年、2016年の大統領選時には共和党副大統領候補に取り立てられるのではと噂された経験もあります。
そんな彼女ですが、トランプ氏とも浅からぬ関係があります。トランプ政権下の2017年1月に国連大使に就任してから、その後2018年10月に任を退くまでの2年弱の間、二人は同僚だったのです(アメリカでは、国連大使は閣僚扱いされます)。
そうした経緯もあって、ヘイリー氏はトランプ氏を批判するつもりはないと明言。「横(党内のトランプ氏)を蹴るのではなく、前(民主党のバイデン氏)を蹴る。バイデン氏はリーダーとして不適格だ」と表現しました。そのうえで、今回の出馬は彼女が以前から必要性を主張している世代交代のためであると説明。現在、ヘイリー氏は51歳、トランプ氏は76歳であることから、説明の筋は通っています。
一方、トランプ氏はヘイリー氏の出馬を歓迎していないようです。自身の立ち上げたSNS「Truth Social」上で、ヘイリー氏が「トランプ氏が出馬する場合、私は大統領に立候補しない」と発言したことに触れつつ、「誰も理解できないような奇妙なことが起こっている」と皮肉りました。
予備選挙は通常、大統領選挙の年の2月から6月に渡って州ごとに順次実施されます。最初の投票まで約1年、党内の競争にも注目です。
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