昨年TwitterのCEOに就任したイーロン・マスクは2023年1月26日、共和党議員で下院議長のケビン・マッカーシーとの会合のために連邦議会議事堂を訪問しました。会合の主な主題は、Twitterの公平性についてです。
Twitterは2019年、ジョー・バイデン大統領の次男であるハンター・バイデンに関する汚職疑惑をフェイクニュースとして扱い、情報の拡散を制限していました。ところが昨年12月、ジャーナリストのマット・タイービがTwitterの内部情報を暴露したデータ、通称「Twitterファイル」を公開。ファイルのなかには、Twitterはハンター・バイデンに対する疑惑は事実であることを認識したうえで、恣意的に隠していた証拠が含まれていました。
さらに、「Twitterファイル」が公開された当日、イーロン・マスクがタイービのツイートをシェアしたことで、ファイルの存在の信憑性が一気に高まりました。この問題について、下院監視委員会による公聴会が2月に予定されており、26日のイーロン・マスクとマッカーシーの会合では公聴会の内容のすり合わせが行われたとされています。
イーロン・マスクは、共和党と民主党のいずれを支持していた時期もあることを公表していますが、昨今の民主党の在り方への疑問から現在は共和党員を自称しています。このイデオロギーはTwitterの買収にも多分に影響しており、リベラルに偏ったメディアを公平に戻すと度々発言。大統領選の不正疑惑の吹聴や、支持者への過激な扇動から凍結されていたトランプ氏のアカウントを復活させたことでも注目を浴びました。
そんなイーロン・マスクと共和党がタッグを組み、ハンター・バイデンの疑惑についての追求がなされるわけですから、民主党へのダメージは計り知れません。インフレ対策や社会保障予算をめぐり、党内支持が低下気味のジョー・バイデン大統領ですが、実子の不正が事実として認定された場合、立場がさらに揺らぐことは確実です。
両党にとって重要な疑惑はどのように決着するのか。2月の公聴会に注目です。
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