今週は、ジョージア州における新型コロナウイルスの感染状況と、最新の住宅不動産市況についてお知らせします。
さる7月、ジョージア州のケンプ知事と州都アトランタ市のボトムズ市長との間で繰り広げられたマスク着用を巡る応酬が話題となりました。
マスク着用を推奨に留める共和党のケンプ知事と、独自の条例でマスク着用を義務付ける民主党のボトムズ市長。ケンプ知事は知事令を超える制限を設ける条例は越権行為であるとし、ボトムズ市長を訴えるなど対立が生じていました。
ケンプ知事の訴えは、マスク着用義務化に反発する共和党保守派支持者の一部に配慮したものとみられ、「公衆衛生よりも政治的思惑を優先した」と、批判が続いていました。
その状況下において、新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあるものの、8月下旬に死亡者数は5,000人を突破。さらにその後わずか2週間で死亡者数は1,000人増加し、重症者数の増加が懸念されています。
今般の状況を受けて専門家は、活動制限の実施やマスク着用の義務付けなど、感染防止の為に新たな政策を行うべきであると主張。さらに市民からは、党派政治を優先させるケンプ知事に対しリコールの声も上がっています。
アメリカでは、疾病予防管理センターが全米の保健当局に対し、11月初旬よりワクチンが供給される前提の準備を進めよう指示しているとのこと。ワクチン開発は進んでおりますが、新型コロナウイルスによる経済や政治への影響は依然として続く模様です。
さて次に、ジョージア州の住宅不動産市況についてお知らせします。
新型コロナウイルスの感染拡大が課題となっているジョージア州。しかしながらさる8月、弊社が物件を取り扱うアトランタ都市圏においては、住宅の成約価格中央値が前年同月比で約117%と大きく上昇しました。
アトランタは昨年3月、有名不動産サイトを運営するZillowが発表した「1年間の全米都市別不動産価格上昇率予想ランキング」で一位を獲得するなど、注目を集めていました。そして新型コロナウイルスの影響を受けてもなお、アトランタの住宅価格は上昇を続けています。
ジョージア州における新型コロナウイルスの影響は依然として続いておりますが、住宅不動産市況における影響は限定的であるといえるのではないでしょうか。
以上、田力優がお伝えいたしました。
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