北米の不動産ニュースメディア「Point2」の調査で、“アメリカでスターターホーム(はじめて家を買う人でも手が出しやすい、お手頃物件)”と呼ばれる住宅の多くが、もはやお手頃と言える水準ではないことが分かりました。
Point2はスターターホームを、各エリア内の住宅のなかで価格が下位3分の1の物件と定義。そのうえで、全米の大都市50エリアについてスターターホームを購入するために必要な年収水準と、エリア内の賃貸に住む人々の年収の中央値と比較する調査を行いました。
調査の結果、賃借人の年収中央値がスターターホームの購入に必要な年収水準を上回っている都市は全米に4つしかないことが分かりました。つまり、アメリカのほとんどの都市では、一般的な収入水準の人々が家を買うことは非常に困難であるということです。より具体的に言うと、住宅価格が特に高いロサンゼルスでスターターホームを買うのに年収166,937ドル(1ドル1590円レートで約2,500万円)必要なのに対し、賃借人たちの年収の中央値は49,568ドル(同レートで約740万円)と、約70%も収入が不足しています。同様に、ニューヨークでは66%、サンフランシスコでも60%ほど収入が足りません。
現在、一般的な賃借人が家を買いやすいのは、デトロイト、オクラホマ州タルサ、テネシー州メンフィス、オクラホマシティの4都市のみです。これらの地域は、住民の収入の割に住宅価格が落ち着いており、スターターホーム購入に必要な年収水準が、賃借人の年収中央値を下回っています。具体的には以下です。
これら4都市を除いた46都市はすべて、「スターターホームが高すぎる」状況にあり、低価格物件では需要の鈍りが見られています。とはいえ、所得格差の大きいアメリカですから、全価格帯の物件が不調なわけではありません。住民の収入構成や物件価格を踏まえつつ、需要のあるエリアへと投資したいものですね。
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