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【注目の海外プロップテック企業】第6回: Mezo

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2022.12.21

Highlights

  • シカゴの企業Mezoは住宅設備の修理を最適化するプラットフォームを運営している。
  • 修理過程で発生する二度手間に目を付け、それを解消することで効率化を実現。
  • 住人と修理業者、不動産オーナーの全員にとってWin-Winに。

不動産(property)とテクノロジーを組み合わせた「プロップテック」と呼ばれる企業が今、世界中で誕生しており、不動産領域における新しいチャレンジに取り組んでいます。この【注目の海外プロップテック企業】というコーナーでは、オープンハウスがセレクトした海外の注目プロップテック企業をご紹介します。

第6回は、住宅のメンテナンスを最適化するシカゴのスタートアップ企業「Mezo」をご紹介します。

住宅のメンテナンスを最適化するMezo

Mezoは住宅設備の修理を最適化するプラットフォームを提供しています。

住宅設備には、トラブルが付き物です。特にアメリカでは中古住宅の取引が活発ですから、築年数相応の劣化が起こります。DYI好きが多いアメリカですから、壁の穴や窓割れなどであれば住人が自分で修理してしまうことが多いようですが、水回りや空調機器などになるとそうもいきません。専門的な知識や道具が必要なため、プロに頼むという人がほとんどでしょう。
そこで活躍するのがMezoです。Mezoを使えば、自分で水道屋や電気屋に依頼するよりも、安く速く修理ができるようになるのです。

修理過程にあった二度手間

Mezoは、作業工程の無駄を無くすことを目指して設計されています。従来の修理工程には、多くの無駄が発生していました。というのも、故障で困っている住人のほとんどは、故障実態について正確に把握できないからです。

例えば、トイレの水が流れなくなった場合、大本の水道管に問題があるのか、タンク内の漏水防止弁が動かないのか、はたまた別の原因かが分からないまま水道屋に電話します。電話で詳しい症状を聞かれるかもしれませんが、声だけのコミュニケーションで原因特定にまで至るのは至難の技です。「とりあえず現場を見てみます」となり、故障内容によっては部品や道具の手配のために当日対応不可なこともしばしば。また、電話時点で原因が分かったとしても、電気系統の異常だった場合には、住人は電気屋に電話をし直しまた一から説明しなくてはなりません。住人にとっても修理業者にとっても、多くの無駄があったのです。

AIチャットと修理業者ネットワークで、初診から修理までをワンストップに

そこでMezoが行ったのは、コミュニケーションの最適化です。

故障に困っている住人からの問い合わせがあると、Mezoはまず、チャットによって故障状況を把握しようとします。専門知識のいらない簡単な質問をいくつかした後、写真や動画を送るように指示します。届いたファイルは専門家に直ちに共有され、言葉だけのコミュニケーションよりもずっと高い精度で故障内容を診断。さらに、それを修理するために必要な作業工程を算出し、ネットワークに加盟している修理業者に割り振ります。その後、スケジュールとコストが見積もられた上で修理が実施されます。訪問前に作業工程が明確になるため、多くの場合、1回のアポイントメントで修理が完了するようになるそう。

住人はコミュニケーションの手間が減り、作業立会いの回数も最小限で済みます。効率化いよりコスト面でもお得になるケースも多いようです。修理業者も、知識の乏しい住人からの電話を受ける必要がなくなり、明確な作業指示書のもとで迷いなく修理を行えるようになります。何より恩恵を受けるのは賃貸オーナーでしょう。メンテナンスにかかる時間やコストを大幅に削減できるため、物件探しや資金繰りなどのより重要な仕事に集中できるようになります。現在はシードラウンドで、本格的なサービス拡大はこれからというMezo。さらなる進化に期待です。

 

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