賢者の投資術 Powered by OPEN HOUSE

【アメリカ確定申告】知っておきたい基礎知識 「第9回:W8-ECIとは?W8-ECIを提出すべき理由とは?」

作成者: 海外不動産Insights 編集部|2021.01.17

はじめに
日本人がアメリカから所得を受け取った際、通常は、受け取った額の30%が源泉徴収されてしまいます。アメリカ不動産投資により受け取った賃料も、アメリカから受け取る所得とみなされます。しかしながら、W8-ECIという様式を提出することにより、源泉徴収を免除することができます。今回は、このW8-ECIについて詳しく説明していきたいと思います。

W8-ECIとは

 日本人がアメリカから所得を受け取った際、通常は、受け取った額の30%が源泉徴収されてしまいます。アメリカ不動産投資により受け取った賃料も、アメリカから受け取る所得とみなされます。しかしながら、W8-ECIという様式を提出することにより、源泉徴収を免除することができます。今回は、このW8-ECIについて詳しく説明していきたいと思います。

  • 誰が提出するものなのか
      このW8-ECIはアメリカ源泉所得の受益者、すなわち、賃料を受け取る外国人がこの様式を作成、サインをし、提出をします。一般的には、源泉徴収義務者または支払人である不動産管理会社から案内があることが多く、彼らの手順に従って作成をするので手続き自体は煩雑ではありません。
  • 誰へ提出するものなのか
      W8-ECIは、アメリカ税務署(IRS)ではなく、不動産管理会社へ提出します。W8-ECIは賃料を受け取る前に管理会社へ提出することが一般的です。
  • 提出しないとどうなるのか
      W8-ECIを不動産管理会社へ提供しない場合、不動産管理会社は所得に対して30%の源泉をして賃料をオーナーへ支払うことになります。例えば、1,000ドルの賃料を受け取るはずなのに、W8-ECIを提出しないことにより30%が賃料から源泉されてしまい、管理会社から源泉後の700ドルを受け取ることになってしまいます。

      もちろん源泉されてしまった300ドルはのちに確定申告にて、納税額が源泉額を下回れば、還付請求をすることは可能です。しかしながら還付を受けるには時間がかかりますので、W8-ECIを提出し、初めから源泉されない手続きを踏んでいただくほうがよろしいかと思います。

      日本でもそうであるように、源泉徴収は支払い側に課される義務です。借主(もしくは管理会社)に義務が発生することになるため、W8-ECIを提出するまでは賃料支払いを保留されるケースも多いです。
  • W8-ECI記載内容
      名前、住所、SSNあるいはITIN、誕生日、どのような収入を得るのかなどを記載し、最後にサインをします。
  • 変更事項があったら
     状況の変化により、提出したW-8ECIの情報が変更された場合は、変更事項発生から30日以内に提出先に通知し、新しいW-8ECIを提出する必要があります。
  • 有効期限はあるのか
      通常、W-8ECIは、状況の変化によりW8-ECIの情報が正しくない場合を除き、W8-ECIに署名した日から3年目の最終日までの期間有効となります。 たとえば、2017年9月30日に署名されたフォームW-8ECIは、通常、2020年12月31日まで有効です。


渡邉聡美
株式会社フェニックスデール 代表
米国税理士

アリゾナ州立大学卒業、会計学専攻
Deloitte Tax LLP ミシガン州デトロイトオフィスにて税務を担当
監査法人トーマツ、金融インダストリーグループにて金融監査を担当
みずほ銀行 国際戦略情報部にて米国会計税務コンサルティングを担当
株式会社フェニックスデール 立ち上げ

米国進出支援事業、米国事業投資、会計支援事業の経験を活かして、米国不動産を専門とした税理士として地位を確立。主に米国確定申告代行業務を行っている。

▼株式会社フェニックスデール公式サイトはこちら
https://phoenixdale.com/

【関連記事】
第1回:アメリカ不動産を買ったら、日米両方の確定申告が必要

第2回:アメリカ不動産購入をしたらまず初めに行う税務手続き

第3回:アメリカ不動産を日本法人で購入した場合の手続き」

第4回:個人・法人の税務手続きの違いについて

第5回:アメリカ不動産購入時手続きをしなかった場合、どうなるか?

第6回:どの書類を用いて税務申告するのか(個人)

第7回:どの書類を用いて税務申告するのか(法人)

第8回:どれくらい税金がかかるのか(個人)

まずはお気軽に資料請求
エリアや物件の最新情報、シミュレーションサンプルなど無料プレゼント!
アメリカ不動産の利点やリスクが分かる、動画セミナーも限定配信!
>>資料請求はこちらから<<