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長期化していた全米自動車労働組合のストライキ、7週間で終息か。

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2023.11.30

過去25年で最長、7週間続いているストライキ

UAW(the United Auto Workers union:全米自動車労働組合)は2023年10月30日、GM(ゼネラルモーターズ)との労使交渉が暫定合意に至ったと発表しました。同組合は23年9月25日から、全米の自動車販売シェアで1位のGM、3位のフォード、4位のステランティスに対して同時にストライキを行っています。※シェア2位はトヨタ。

フォード、ステランティスとはそれぞれ10月25日、10月28日に労働協約案への暫定合意を発表していましたが、GMはそれに遅れていました。UAWが組合員4,000人を新たにストライキに参加させ、GMの工場閉鎖は4箇所に拡大されるなど交渉が難航していましたが、ようやく光明が見えたようです。

協約が正式に発行されるには、各企業に所属する一般組合員による承認が必要で、ストライキが終了は厳密に言えばその後になります。現在、ストライキ開始から7週間が経過。米国の自動車業界では過去25年間で最長の記録を更新中です。

即時11%、4年半で30%以上の昇給

詳細な合意内容は明らかにされていませんが、大まかな条件はフォードやステランティスとの合意と同様とされています。中でも目立つのは、最高時給の即時11%引き上げと、4年半の協約期間内に合計14%の追加賃上げ。さらに、かつて導入されていたCOLA(cost-of-living adjustments:生計費調整)も復活し、物価が上昇しても労働者が生活水準を保てるよう、賃金引き上げが行われます。

米国のインフレペースを考慮すると、4年半の協約期間内にCOLAが適用されるのは確実です。上述の11%+14%の賃上げと合わせると、給与引き上げ率は30%以上になる見込みです。

この上昇率はあくまで最低保証で、すでに最高賃金水準の給与を得ている熟練労働者に適用される想定。まだ賃金の少ない若年労働者は、さらに大きな昇給が可能とのことです。なかなか実質賃金が上がらない日本からすると、驚きの上昇率ではないでしょうか?


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