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金利を巡ってのFRBメンバーの見解分かれる。

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2023.12.19

楽観的なはずの理事が、利上げが必要と発言

2023年11月28日、FRBの2人の理事が別々の場所で金利政策に関する発言をしましたが、その見解が少々分かれているようです。

「私の経済的見通しは変わっていません。インフレ率を目標である2%に素早く近づけるには(中略)金利をさらに引き上げる必要がある」と発言したのは、2018年からFRB理事を務めるミシェル・ボウマン氏です。彼女がユタ州銀行協会とソルトレイク商工会議所の朝食会で行われた講演「金融政策と経済」のなかで上記のように発言し、さらなる利上げの可能性をほのめかしました。

FRBメンバーのなかでは楽観的なコメントが多い印象のボウマン氏ですが、今回の講演では懸念点にフォーカスしたようです。インフレが依然として高止まりしており、現在のインフレの進行は「不均一」であると指摘。消費者の支出拡大、エネルギー価格の上昇、さらには海外からの製造業を呼び戻す傾向に関連して今後数年間に労働力不足が進行する可能性に触れながら、「異常に高いレベルの不確実性」に注意を払うべきだとまとめました。

タカ派のはずの理事が、これ以上の利上げは不要と発言

一方、「インフレ率は私が思っていた通りに推移しています。現在の政策は経済を減速させ、インフレ率を2%に戻すのに効果的であると確信を深めています」と述べたのは、2020年にFRB理事に加わったクリストファー・ウォーラー氏です。

もともとはハト派(経済成長や雇用の創出を優先し、利上げには慎重)として知られていたものの、近年はタカ派(インフレ抑制を重視し、利上げに積極的)に転向したと言われていたウォーラー氏。しかし、今回のハト派的なコメントをしたことで注目されています。

「経済を救おうとすることとは何の関係もありません。これはあらゆるポリシールールと一致しています。この非常に高い(金利)水準を維持すると言う理由はありません」とも述べており、利上げストップだけでなく、その先の利下げの可能性すら匂わせました。一連の発言は、シンクタンクであるアメリカン・エンタープライズ研究所員とのYoutube対談のなかで行われました。

金利政策を決定するFOMCは、次回12月12日に実施予定です。


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