投資家の間で、楽観的なムードが広がっています。2023年6月23日、ボラティリティ・インデックス(VIX指数)は一時12.89まで下がり、パンデミックが本格化する以前の2019年初以来の水準まで低下しました。VIX指数はオプション価格の変動をもとに算出されており、市場が不安定なときに上昇することから「恐怖指数」とも呼ばれます。
21日、22日にFRBのパウエル議長が年内にあと2回の利上げを行う可能性が高いと発言したのに対し、VIX指数は上がる(不安感を示す)どころかむしろ低下(安心感を示す)しました。この事実は、投資家たちの多くが利上げを気にしていないか、利上げが実際には行われないと考えているか、いずれかであることを示しています。
結論から言えば投資家たちは、利上げが行われない(または回数が減る)可能性が高いと考えています。
その理由が落ち着きを見せはじめたインフレ動向です。5月の消費者物価指数は年率4%の上昇に留まり、2021年3月以来最も遅いペースとなりました。また同月の生産者物価指数は年率1.1%上昇で、4月の2.3%上昇から大幅に鈍化しました。こうした材料をもとに、米国のインフレはすでに失速しており、そのためこれ以上の利上げは必要ないと考えているのです。
加えて、多くの企業の決算報告が、予想されていたよりも好業績だったこともあり、市場は強気になりつつあります。このままスムーズに上昇するかどうかは議論が分かれますが、少なくとも大底は脱しただろうというのが大方の見方のようです。
一方で、世界的には景気後退が決定的になりつつあるとも言われています。世界が後退するなか、米国は順調に回復へと迎えるのでしょうか?
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