賢者の投資術 Powered by OPEN HOUSE

第二次トランプ政権の経済政策は? 過去の言動から見られる傾向。

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2024.11.11

【この記事のポイント(Insights)】

  • 2024大統領選はトランプ氏の圧勝で終わり2025年1月から第二次トランプ政権がはじまる。

  • トランプ氏の経済政策についての考え方は、貿易、税制、通貨、金利、産業・労働、社会保障の6つの観点から紹介する。

  • バイデン政権の政策からは大きく変更となることが予想され、投資家にとってはチャンスとリスクが入り乱れた市場となる。

 

トランプ氏の大統領選勝利が確定し、2025年1月20日から第二次トランプ政権がはじまります。政権交代ということで大きな変化が予想されますが、投資家の立場から気になるのは何と言っても経済政策でしょう。そこで今回は、選挙期間や前任時の発言を下に、トランプ氏が取りうるであろう経済政策を予想します。

 

貿易

第二次トランプ政権において、貿易政策の大きなテーマは「アメリカ・ファースト」の継続です。前回の政権同様、貿易赤字の是正を重視し、中国や他の貿易相手国との関係は再び緊張する可能性があります。特に、中国製品に対する関税の強化や、貿易交渉の再開などが予想され、米中関係は引き続き不安定な状況が続くでしょう。一方で、トランプ氏はアメリカ国内の製造業の復活を目指しており、輸入品に対する制限を強化する可能性があります。このことは国内生産者にとって有利になる一方、輸入コストの増加からインフレ圧力となるリスクもあります。

税制

税制については、トランプ氏が前回の任期で実施した減税政策がさらに強化される可能性が高いです。特に法人税率の引き下げが再び議論され、中小企業や富裕層に対する減税が行われる可能性があります。これにより、経済成長の促進が期待されますが、同時に財政赤字の拡大という問題も避けられないでしょう。また、相続税やキャピタルゲイン税に関しても減税が検討される可能性があり、投資家にとってはポジティブな要素となり得ます。

通貨

通貨政策に関しては、ドルの価値を下げる方向への圧力がかかることが考えられます。前回のトランプ政権では、輸出競争力の向上を目指し、ドル高を避けるために連邦準備制度(FRB)への圧力をかける場面がありました。第二次政権でも同様に、ドル安政策を推し進める可能性があり、輸出産業を後押ししようとする姿勢が見られるでしょう。このことは一部の輸出企業にとっては追い風となりますが、インフレの懸念を高めるリスクも伴います。
注意点ですが、ここでいうドル安は、特定の通貨に対する高安を意味しません。ドル安志向ということは円高になる、と短絡的に考えるのは早計です。

金利

金利に関しては、トランプ氏は低金利政策の維持を強く支持する姿勢を見せるでしょう。前回の政権では、FRBに対して金利引き下げを求める発言が度々あり、景気刺激を目的とした低金利政策を推進しました。今回も、経済成長を維持するために低金利を求める圧力が強まる可能性が高いです。

一方で、彼が掲げる貿易関税の強化や移民排斥などはインフレ上昇圧となります。インフレ率が過度に上昇し、金利を維持できなくなる可能性も少なからずあります。

産業・労働

第二次トランプ政権では、国内産業の強化と雇用創出が重要なテーマとなるでしょう。製造業の復活を目指す一環で、規制緩和やインフラ投資の拡大が進められる可能性があります。また、エネルギー分野においては、化石燃料の利用拡大を推進し、シェールガスや石油産業を支援する政策が予想されます。これによりエネルギー自給率の向上が期待されますが、環境保護の観点からは批判の声が上がる可能性もあります。また、移民政策の厳格化が続くことで、労働力不足が生じる懸念もあります。

社会保障

社会保障に関しては、トランプ氏は再度、メディケアやソーシャルセキュリティの改革を検討する可能性があります。財政赤字の拡大を懸念する声に応じて、一部の福祉制度に対して歳出削減の圧力がかかることが予想されます。ただし、これに対しては高齢者層からの反発も考えられるため、慎重な対応が求められるでしょう。一方で、トランプ氏の支持基盤である中間層や労働者層に向けて、特定の社会保障プログラムの維持や改善も行われる可能性があります。

 

以上のように、第二次トランプ政権では米国の経済政策に大きな変化が起こると見られています。特に貿易、税制、金利の動向は投資市場に大きな影響を与えるため、今後の動きを注意深く見守る必要があります。


注目記事
なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その1)

なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その2)

なぜ米国不動産と法人税繰延の相性は抜群に良いのか。