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急激なインフレを受け、家賃水準が上昇傾向にあるアメリカの賃貸物件。そんななか、各州が「レントコントロール」強化を検討していることが明らかになりました。日本でも、日経新聞の3月23日付の「全米で広がる家賃規制 10州超が検討、高騰で生活圧迫」という記事で、その現状が報じられています。
レントコントロールとは、各自治体が家賃の値上げ率に上限を設ける規制で、借り手を保護するために行われます。アメリカでは契約更新時に賃料が上がることがほぼ常識となっており、ニューヨークやサンフランシスコなど、特に空室率が低い(≒空いても次の借り手が見つかりやすい)東西海岸都市部では、強気な賃料上げをするオーナーが少なくありません。そのままにしておくと、家賃が払えず追い出される借り手が続出してしまうため、自治体は値上げにブレーキをかけるわけです。
不動産オーナーからしてみれば、レントコントロールが行われると、需要があるのに値上げできないという機会損失につながります。多くの州がレントコントロールを検討していると聞いて、警戒している方もいるかもしれません。しかし、よくよく考えれ規制を検討しているのは約10州のみ。ほかの約40州は、検討すらしていません。それどころか、逆にレントコントロールを禁止している州の方が多数派なのです。
現在レントコントロールを禁止しているのは、テキサス州やジョージア州をはじめとする30州。これらの州は、自由契約の原則を貫くため、家賃規制をかけてはいけないという州法が制定されています。そのほかの10州も、一部の市町村単位で規制や協定があるものの、州全体としてはレントコントロールに後ろ向きです。
現在規制を検討していない州が、今後規制を検討する可能性ももちろんあります。不動産投資を行う上では、物件を管轄する自治体の規制状況について、よくよく調べておきたいところ。ただ、合衆国憲法にあるように、市場原理と自由契約を重んじるのがアメリカ人の基本姿勢。必要以上に規制を恐れるのは、杞憂ではないでしょうか?
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