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※この記事は2021年5月中旬時点の情報に基づき書かれています。
新型コロナウイルスのワクチン接種が世界中で進んでいます。
日本国内のワクチン接種率は2021年5月16日時点で3%程度とまだ一部の人のみに限定されている状況ですが、アメリカの接種率は順調に伸びており、同日時点で50%近い住民が最低1回の接種を終えているといいます。
これはアメリカ全体を見たときの数字ではありますが、州単位で見ると、より接種率が高い州も存在します。接種率がもっとも高いのはバーモント州で64%、マサチューセッツ州の62%とハワイ州の61%がそれに続く形です(5月16日時点)。
人口の60~70%が免疫を獲得すると、いわゆる「集団免疫」が獲得できるとする意見もありますが、この論に則るなら、集団免疫の達成が間近な州も出てきているということになるのかもしれません。
住民へのワクチン供給が十分に行き渡っている一部の州では、観光客へのワクチン接種も開始しています。5月6日には、ニューヨーク市が「ニューヨークへようこそ、ワクチンがあなたを待っています!」と、観光客向けにワクチン接種をPRするツイートをしたことが話題を呼びました。
アメリカ国内でのワクチン接種を望む海外在住者の声は、ニューヨーク市のツイート以前からも多数存在しており、各国の旅行事業者が「Covid shot tourism」等の名称を掲げ、ワクチン接種ツアーの販売を開始していました。
特に行動が早かったのはメキシコの旅行代理店で、移動コストが低く、米国への渡航ビザを持つ人が多い隣国ならではの強みを活かして、いち早く動いた形です。空港の乗客数データを見ると、メキシコシティから米国への渡航者数は、2021年2月時点では約95,000人にとどまっていたのに対し、3月には約177,000人、4月には約207,000人と急増。メキシコ以外からも、ペルーやアルゼンチンなどの南米諸国や、アジア圏ではタイなどでもアメリカへのワクチンツアーが人気を博しているようです。
ワクチンツアーの人気は各国の富裕層だけでなく、中流層の間でも高まっているといいます。理由としては「自国の公衆衛生政策への不信感」といったものが挙げられ、自国のワクチン接種システムの効率の悪さに危機感や不安感を覚えた人が、ツアー参加に申し込むケースが増えているようです。
ワクチン接種が順調に進む国もあれば、なかなか進まない国もある現状ですが、こうした“ワクチン接種率の各国間の不均衡”はしばらく続くと予想されます。こうした状況が続けば、アメリカへのワクチン接種ツアーが世界的にさらなる人気を博す可能性もあります。
移民向け情報サイト「VisaPlace」にまとめられたアメリカ各州のワクチン接種ポリシーによると、5/12時点での方針は以下のようなものになっています。
非居住者にもワクチンを提供している州の多くで、経済活動が再開されつつあり、ツアー参加者による観光消費が経済復興に寄与するか、今後の動向にも期待が寄せられています。
投資家目線から見ても、アメリカ全体はもちろん、各州のワクチン接種動向にはぜひ注目しておきたいところです。
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